「5人制と違って、1人ひとりがちゃんと考えてプレーすることが大事。人数が少ないからこそお互いの意見も言い合えるし、チームで戦う一体感みたいなのが好きだなって思います。プレーしていく中でいろんな感情も出るし、上手くいかないときもあるんですけど、その奥深さみたいなところ、考えてまたプレーしてみたいなその繰り返しが自分はすごく楽しくて、試行錯誤してる時間が好きです。
一瞬一瞬の判断がすごく大事になってくるので、それを考えて言葉にするのは自分は苦手だったんですけど、コミュニケーションを取るのは5人制に戻っても自分から積極的に取れるようになったかなって思います」

本人は3×3の適性について「向いてるのかな……うーん、あんまり考えたことないです(笑)」とのことだが、昨シーズントヨタ紡織で多くの時間を共有してきた桂によれば「性格的にも向いてる」。プレーそのものに関してはフィジカル面を課題に提示しつつも、成長した要素として伊波自身が挙げたコミュニケーションの部分に関して、桂はかなり高く評価している。
「彼女はあんな感じでおとなしそうには見えるんですけど、ちゃんと自分の考えを持ってて、彼女なりの形でリーダーシップを発揮してくれるタイプ。チームメートに対して上とか下で人を見ないというか、いつもフラットで誰に対しても同じように言うことができる。自分の考えを変に突き通そうとすることもなければ、無駄に引いてしまうこともなく、いつもニュートラルな状態で生きてる感じ。そこが伊波美空という人間の魅力だなって思うし、3×3においてチームにいると安心できる存在なんじゃないかなって思います。たぶんそれは簡単に習得できるものじゃないし、彼女が持ってるものはすごく大きいのかなって思います。チームを引っ張るとなったときに、私はたくさん喋って自分の意見も言いたいし、みんなの意見も聞きたいんですけど、リーダーシップの取り方は人それぞれで、美空は3×3と相性が良い部分があると思うんですよ。そのスタイルは好きです」
今回のQ.O.Qも前回同様にFIBA 3×3公式YouTubeチャンネルで生配信されたが、今回は試合ごとに様々なゲストが入れ替わり立ち替わりで解説を担当。解説といっても、桂が「雑談部屋みたいな感じでしたけど(笑)」と言ったように、ざっくばらんに会話するライトなスタイルで進んでいった中、決勝戦で解説席に座った宮崎早織(元ENEOS)は、試合終盤になって唐突に「ちゃんと伊波ちゃんがリーダーシップを取ってる」と言い出した。隣でそれを聞いた桂は「わかりやすくリーダーシップを取ってるわけじゃないと思うんですけど、見る人が見たら『このチームは伊波がリーダーだ』ってわかるんだな」と思ったそうだ。

代表チームに招集された選手は、必然的にオフ期間が短くなってしまう。しかし、「こういう国内の試合も海外の経験もみんなができることじゃない」と言う伊波は「自分が好きなことをできてるので全く苦じゃないですし、むしろその経験をさせてもらえてるのがありがたいことだなって思います」と、バスケットがあることで日々の充実を感じている。Wリーグの新シーズン開幕まであと4カ月。その頃には、存在感が一回り大きくなった伊波の姿を見ることができるに違いない。
文・写真 吉川哲彦











