B.革新によるBリーグ再編に伴い、来シーズンの越谷アルファーズは2部に相当するB.ONEに舞台を移す。B.PREMIER参入要件の1つであるアリーナの確保ができなかったからだ。せっかくB1昇格を果たしながら、最上位カテゴリーの地位を2シーズンで手放さざるを得なかった。
しかし、そのB.革新を前に、アリーナにまつわる施策で越谷は大きな爪痕を残してみせた。さいたまスーパーアリーナは2006年に世界選手権(現在のワールドカップ)のメイン会場となり、直近でも日本代表の強化試合や天皇杯・皇后杯が開催されてきた実績があるが、Bリーグの公式戦が開催されるのは12月27・28日の越谷ホームゲームが初めて。チームカラーが緑色だった頃の埼玉ブロンコスもホームゲーム開催実績があるものの、Bリーグと別組織で運営されてきたB3であり、最大約4000人収容のコミュニティアリーナでの開催でもあった。そして、越谷が万単位の動員が可能なアリーナでホームゲームを開催するのも初めてのことだった。

その2試合で越谷はいずれも2万人以上を集客し、昨シーズン塗り替えられたばかりのBリーグ1試合最多入場者数の記録を更新した。試合は連敗だったとはいえ、クラブの興行としては大成功に終わり、それが評価された結果、今シーズンの “ココロ、たぎる。賞” を受賞。クラブを代表してキャプテンの喜多川修平が5月29日のBリーグアウォードショーに登壇した。
積極的な “仕掛け” を得意とする越谷の本領は、このアウォードショーでも発揮された。表彰の際、喜多川が登壇したステージにはアルファマンの姿もあった。受賞スピーチを終えた喜多川が「アルファマンも受賞を喜んでまして、この喜びを表現してもらいたいと思うので、少しお時間をください」と付け加えると、アルファマンはバク宙を披露した。
「せっかくこういう場に呼んでいただいて、OKもいただけましたし、来たからにはちょっとやってもらおうかなと。ああいうのがアルファマンの仕事なので、僕も考えてたし、広報も考えてくれてて、リーグのほうに話を投げてみました」
ちなみに、マスコットオブザイヤーはアウォードショーの表彰項目の1つだが、その候補でないマスコットが登場したケースは例外中の例外だ。しかし、2023-24シーズンの投票で22位だったアルファマンは、昨シーズン7位に大躍進し、今シーズンは5位とさらに順位を上げた。越谷市立総合体育館でのホームゲーム入場者数も常時4000人を超えるようになったのは、アルファマンの人気によるところも少なからずあるだろう。さいたまスーパーアリーナでの2試合は、アルファマンが2人現れて会場がザワついた。その異色の存在感は、今やリーグ屈指と言っても過言ではない。
「僕がアルファーズに加入してから、アルファマンの認知度が本当に上がってきてて、みんなに見られる状況になったのがすごく嬉しいですし、そうやって注目を浴びると『どんなチームなんだろう』っていろんな人に見てもらう機会が増えると思うので、アルファマンには感謝してます」

喜多川自身はさいたまスーパーアリーナで試合をした経験があったものの、自チームのホームゲームとしてコートに立ったのは初めて。それはやはり貴重な経験であり、対戦相手が古巣でもある宇都宮ブレックスだったことは、自身のみならずクラブにとっても大きな意味のあることだった。
「フロントの方々がすごく努力してくださったと思いますし、それだけじゃなくて埼玉県の関係各所の方々が協力してくださってできたことなので、本当に感謝ですね。日本のバスケットボール界で1試合2万人というのは初めてだったと思うんですけど、それもアルファメイトの方々とブレックスネイションの方々がたくさん来てくださって、ああいう雰囲気を両チームのファンが作ってくださった。その中で試合ができたのは僕のキャリアでも特別なことになりましたし、関わった全ての人に感謝したいなという気持ちです」











