そんな中、平野は5人制でもプレーを続ける希望を持っているが、現時点で5人制チームの所属先が決まっているわけではなく、平野自身も今シーズンは「この1シーズンを乗りきりたい」とFLOWLISHでの活動に全力投球する意向。自身のこれまでの歩みについても「振り返ったことはまだないですね(笑)」ということだ。
「今はとにかく3人制をやる気持ちでいるので、その先に何かつなげられたらと思ってます。いろんな所でプレーして、行った先で出会う方もたくさんいますし、その場その場で順応しないといけない立場の中、少しずつでも自分を出して、自分の等身大でどれだけ頑張れるかが大事だというのは、いろいろ環境を変えてるからこそ思います。まだまだここからです」

「3人制も5人制もできる選手になれれば」という平野にとって、手本となる存在は身近にいる。三菱電機で3×3の活動からWリーグ開幕に向けた準備に切り替わり、このラウンド8の前週には韓国遠征で4試合を消化したという髙橋芙由子は、その疲れをおくびにも出さず、当たり前のように得点を重ねてラウンド8の制覇に大きく貢献。その髙橋は、平野について以下のように評している。
「3×3がわからないところはまだあると思うんですけど、リーダーシップを持ちながらやってくれてるし、私がいないときにハンドラーとして頑張ってくれてて助かってます。慣れが一番大きいのかなと思うんですけど、試合をしながらいろんな知識をつけていって、3×3っぽい動きが増えてきたなと思います。もともと個人スキルもあるし、チーム練習でマッチアップしても『やられた』と思うことがちょっとずつ増えてきてます」
平野が5人制復帰を目指すことに関しては、「もちろん応援する」ことを前提としつつ、注文をつけることも忘れなかった。周囲の理解を得られているからこそ、髙橋も群馬県と愛知県をせわしなく行き来することができている。
「うちはうちでプロフェッショナルのチームとしてやってるので、そこの折り合いのつけ方ですよね。そういうのも今までやったことがないだろうし、自分が今こうしてやらせてもらってることでもあるので、みんなが納得する形で両方に取り組んでくれれば、それが一番だと思います」
5人制と3×3の両立が簡単でないことは、平野自身も重々理解している。その中でも、高崎STOPでは「後悔ないようにプレーすることも、自分自身を出すこともすごく難しいことだと思うんですけど、そこでどれだけ楽しめるか。今回は自分を表現できたかなと思います」と手応えを感じ、「5人制と3人制は全く別の競技。地に足つける感じで3人制をプレーできるようになってきて、ちょっと安心してます。3人制の楽しさも少しずつわかってきてる現状で、一つひとつ積み重ねていきたい」と3×3をプレーすることで成長したいという意欲は強い。

髙橋や李の他にも実績のある選手が多いFLOWLISHにおいて、まだ20代の平野はその経験値も併せて考えると比較的若手の部類と言える。シーズンが続いている3XSに加え、来年2月には日本選手権もあり、その中でFLOWLISHを引っ張る存在になっていけるかどうかが、今後のキャリアにも何かしら影響するに違いない。自らの足で道を切り拓く平野のチャレンジは、本人が言う通りまだまだここからだ。
文・写真 吉川哲彦











