part1より続く
「3×3はバスケの“職人”には向いてないかもしれません」(小松)
── お二人は日本の3×3選手の中で個人ランキング1位(落合)と2位(小松)です。このランキングは獲得ポイントによって決まるわけですが、ポイントはどうやって加算されていくのでしょう。
落合 まずポイントには色分けされたグレードがあるんですよ。1番高いのがworld tour mastersで、それがブラック。その下にあるレッドがchallenger。このchallengerの大会で上位2位になるとworld tour mastersに行けるシステムになっています。challenger以上だとスタッツがポイントに反映されるので自ずと個人ランキングも上がります。僕たちが日本の中で上位にいるのはchallenger以上で高いポイントを取っているから。でも、世界レベルでは、今なら83位、84位ぐらいですね。そう考えると、3×3はある意味個人競技でもあるわけで、個人ポイントシステムっていうのはおもしろいなあと思います。
── 1つの大会、試合が終わると結果によってポイントが加算されるわけですね。変動するランキングは気になりますか?
小松 そりゃあやっぱり気になりますよ。
落合 小松は毎回自分のポイントをチェックしてますからね。遠征から帰って飛行機を降りた瞬間に何ポイント入ったか確認してますから(笑)
── お話を聞いていると同じバスケットでも5人制と3人制は違う競技のような気がしてきました。
落合 おっしゃるとおりです。全く違う競技ですよ。もちろんバスケ選手として必要なスキルは共通してますけど、同じ陸上競技でも長距離と短距離が全く異なるのと同じですね。だいたい3×3にはコーチもいませんし、ルールも違えば、ファウルに対する審判の笛も違います。
小松 さっき「自分に向いているか?」と聞かれましたが、中には向いていない選手もいると思います。たとえばバスケットの“職人”ですね。ガードだけとかセンターだけとかそのポジションだけに突出した仕事人には向いてないような気がします。
落合 あと繊細なヤツには無理ですね。ときにはボコボコのコートでやることもあるし、風がピュンピュン吹いている場所でやることもある。シュートが風に流されて全然入らないこともあるわけで(笑)。それに1日2試合とか3試合やるので、もし1試合目に負けたとしてもすぐ切り替えなきゃならない。試合後のインターバルは大会によって違いますが、だいたい2時間ぐらいなので、その間に気持ちを切り替えて次の試合に臨む必要があるんですね。5人制の場合はいろんなルーティンも含めて時間をかけて準備しますが、3×3は時間的になかなか難しいのでそこにアジャストできない選手は向いてないかもしれません。
── いろんな意味でタフじゃないとダメってことですね。
落合 ダメですね。プレーだけ切り取っても身体のぶつかり合いがとにかく激しいですから、それが嫌いじゃないというか、僕たちみたいにむしろそれを好んでいくというか。1対1だけみると華やかに見えるかもしれないですけど、実際には身体のぶつかり合いを厭わない泥臭い選手が活躍できる場だと思います。