世界と戦う選手から、世界と戦うヘッドコーチへ
近年、「シン・ゴジラ」や「シン・ウルトラマン」といった昔懐かしい作品が新たな形で生み出されている。でもなぜ「新ゴジラ」でも「新ウルトラマン」でもないのか。検索してみると「AIの概要」のひとつとして、「シン」には「現代版の」や「再構築された(リブート)」という意味があるらしい。なるほど、意味合いとしては「新」に近いが、よりスタイリッシュに「シン」としているのだろう。
さて、こちらの「シン」はどうか。
根は現役時代と変わらない。その時代のシン、すなわち大神雄子はよく「できるかできないかじゃない。やるかやらないか」という言葉を使っていた。自らの意志で女子バスケットボール界の道を切り開こうという覚悟と責任を貫いたわけだが、それはコーチになった今も色褪せていない。むしろ選手を導く立場になって、より濃くなっているようにさえ見える。
9月に名古屋でおこなわれるアジア競技大会のバスケットボール女子日本代表のヘッドコーチに指名された。以前から日本代表のヘッドコーチになることを目標のひとつに掲げていた大神は、それが同時期におこなわれるワールドカップの女子日本代表、いわゆる「A代表」ではないとしても「感謝しかない」と言っている。
「その感謝をどうやって表現するか。まずは自分たちが(アジア競技大会で)優勝するために、どうするのかをちゃんと導けるよう、自分のバスケットボールの考え方で、選手全員と一緒にパションとエナジーを持って、向かっていきたいと思っています」

山形県出身。桜花学園高校を卒業後、現在のENEOSサンフラワーズに入団。12シーズンプレーし、その間の2008年にはWNBAのフェニックス・マーキュリーでもプレーしている。現在、女子日本代表(A代表)のヘッドコーチを務めるコーリー・ゲインズとは、マーキュリーでのヘッドコーチと選手の関係でもある。
その後、WCBA(中国)の山西フレームを経て、トヨタ自動車アンテロープスに移籍。2017-18シーズンをもって現役生活に幕を下ろした。
日本代表としては2004年のアテネオリンピックに出場。その後はオリンピックのコートにこそ立てなかったが、2013年には日本を43年ぶりのアジアチャンピオンに導くなど、日本の女子バスケットボール界を牽引し続けた。
2019-20シーズン、山西でコーチと選手の関係だったルーカス・モンデーロがトヨタ自動車のヘッドコーチに就任。それを機に同チームでアシスタントコーチとして指導者の道を歩み始めると、2022-23シーズンからは同チームのヘッドコーチに昇格する。直近の2025-26シーズンは、プレーオフ・ファイナルで敗れたものの、レギュラーシーズンを1位で通過するなど、ヘッドコーチとしても成果を出し始めている。今回の指名は彼女自身の意欲と、そうした経験の積み重ねが導いたとも言える。











