最終学歴が高校の富樫勇樹(千葉ジェッツ)が1億円プレーヤーになった。それゆえに、親御さんたちも少しはプロの道を理解しはじめ、今後は高卒ルーキーも増えてくる可能性は高い。メディア露出も多い高校生が率先してBリーグ入りを希望し、ドラフトで名前が挙がれば「おぉー」ってなる。選手名が分からなくても、地元の強豪校が呼ばれるだけで少なからず反響があるはずだ。
一方で先々の人生を考えれば、まだまだ大学へ進学する選択肢は捨てきれない。将来的にプロを目指すからこそ、学歴や資格は持っておくべきだと考えるのは当然である。認知度は高校生だが、実質的には大学に行った方が良いという矛盾が生じた。そのときである。バスケバカでもあるS氏がひらめき、声を張った。
「高校生ドラフト!」
一行は「おぉー」と腑に落ちた。ドラフト対象を、知名度が高い高校生だけにするというアイディアである。あくまで、ほろ酔いかつ勢い任せのたわ言でしかないことをご容赦願いたい。
ドラフト指名した選手は、高校卒業後にそのまま契約しても良し、大学に進んでも良し。交渉権の保有期間は5年間と猶予を持たせ、実質的には大学を卒業する見込みが立ったときこそ効力を発揮する。高校卒業後や大学1年時から特別指定選手や練習生として迎えることも可能だ。
この制度の良い点は、高校バスケのヒーローをBリーグのクラブがドラフトしたことでさらに注目を高め、その後に進む大学バスケにもファンの目が向くこと。先に挙げた某ヘッドコーチの悩みも少しは解消されるかもしれない。別の某大学ヘッドコーチは、「Bリーグ内だけで選手が回っている現状ゆえに、大学生まで見られていない」と嘆いてもいた。60試合のレギュラーシーズンゆえに、リーグ戦やインカレでさえもクラブスタッフはなかなか現場に足を運びにくい状況でもある。
高校生ドラフトが実現すれば、大学進学を選択した選手の動向を見守らねばならない状況を作ることができる。ドラフトされた選手にとっても、クラブスタッフやそのファンに見守られ続けることで、自ずと成長しなければならない。大学バスケは4年間もあるのに思うような成長が見られず、それが日本代表暗黒時代の原因と指摘された。高校生ドラフトにより、エアポケットのような現状を打破するができる。若き才能たちにスポットライトをあてるとともに、大学バスケを活気づける相乗効果に期待したい。
と、たわいないたわ言を連ねてしまった。ぜひ、皆さんのアイディアもスピリッツのSNS等のコメントにお寄せいただきたい。それを酒の肴にする今宵の晩酌が楽しみだ。
文・写真 泉誠一