移籍のルール変更が実施されて2年目。7名の移籍選手はそれぞれのチームにうまく溶け込んでいったが、なかでもチームへの貢献度を見ると2人の選手がクローズアップされる。
内野智香英(富士通レッドウェーブ)と井澗絢音(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)である。この2人もベスト5の選出同様、甲乙つけがたい。主なスタッツを見ると、内野は1試合の平均が10.6得点、5.5リバウンド、1.1アシストであるのに対して、井澗のそれは4.3得点、3.3リバウンド、1.1アシスト。数字だけを見れば内野に軍配が上がるが、前年比でみると内野の得点は横ばい、リバウンドは1本増、アシストは微減。井澗はアシストこそ1本ほど下がったが、得点が3点弱増え、リバウンドは2本弱の増。また平均出場時間を見ると、内野が昨シーズンの30分から24分にやや減らしたのに対して、井澗は12分から18分に伸ばしている。
移籍をうまくステップアップにつなげたのは井澗じゃないかというのが選考理由のひとつ。さらに井澗をSpirits的ベストトランスファードに押し上げたのはチームの最終順位が上だったから。富士通がセミクォーターファイナルで負けてなければ、内野だったなぁ……
文 三上太
写真 W LEAGUE