バスケを通して英語に触れよう!英語を通してバスケに触れよう!
『えいごdeバスケ』とはその名のとおり英語を使って子どもたちにバスケットを教えるスクールである。代表を務めるのは元プロバスケットボール選手であり、現在はBリーグ公認アナリスト、NBAの解説者、NHKBS1『熱血バスケ』の司会者などで知られる佐々木クリスさんだ。
「僕はハーフでありバイリンガルですが、自分のキャリアを振り返ったとき英語ができることが非常に大きなアドバンテージになっているのを感じます。もし英語が話せなかったら自分がやりたい仕事はできなかったかもしれません。はじまりは『子どもたちが楽しく英語に触れられる場所を作れればいいな』という思いでした。そのツールとしてバスケを選んだのは僕がたまたまバスケをやっていたから。バスケと英語の楽しさ、おもしろさを知ることで子どもたちの中の可能性がほんの少しでも広がっていけば嬉しいです」
現在は東京都文京区の体育館で毎週火曜日、東京都東久留米市の体育館で毎週木曜日に開校しており、小学校低学年クラス、高学年クラス、中学生以上のクラス(東久留米のみ)を合わせると生徒数は80人を超える。「不定期のスクールを経て、東久留米に教室を持ったのは4年前。コーチ陣とともに試行錯誤を繰り返しながらカリキュラムを作ってきました」
低学年コースでは、まず全員が車座になってその日覚える英語のフレーズを繰り返す。取材に行った日は『How old are you?』(あなたは何歳ですか?)のフレーズ。子どもたちはこの問いに『Iam 〇〇』と答えるのだが、3つのグループに分かれて始まった練習でもこの問いかけは何度も繰り返されていた。子どもたちにパスを出すたびに「How old are you?」と尋ねるのはシェリー・シャーマンコーチ。21歳までカナダで過ごし、子どものころからバスケットやサッカーに明け暮れていたというシャーマンさんは、その後日本→アメリカ→日本と移り住み、現在は東京・渋谷で英語スクールを経営しながら週に2日コーチを務める。日本人の奥さんとの間に生まれた5歳の娘さんが通う保育園にもボランティアで英語を教えに行くのだという。
「日本人と英語の関係を見ていると間にバリアがあるのを感じます。みんなの前で(英語)を話すのは恥ずかしいとか、間違ったらどうしようとかいう気持ちがバリアを作ってしまう。だから、ここではそのバリアを壊しちゃいたい。ここに入会する子どもたちのほとんどはバスケも英語もビギナーだから、どっちも上手じゃないのはあたりまえ。楽しみながら繰り返すことでだんだん上手になっていくんですよ。先週できなかったことができるようになったり、覚えた英語がしぜんに口から出るようになったり、そういう子どもたちを見るときが一番幸せですね。ほんと、それが私にとって1番嬉しいことです」