そこにはやはり、バスケットに対する愛着がある。Wリーグを引退して既に15年、大学時代まで遡れば20年もの月日が経った。当時、40代までプレーを続けていることを「全く想像できてない」というのは、ごく自然なことだろう。いつ辞めてもおかしくないと思いながら、それでもバスケットから離れないのは、やはりバスケットが自身の人生や人間性を形作ってくれたからだ。
「人間関係もそうですし、バスケを通して学ぶことがめちゃくちゃ多い。自分を常に見直すことができるツールでもあるし、生活を豊かにしてくれるツールでもある。今日なんてもう楽しくて楽しくて、『もう1試合やりたかったー!』って(笑)」

チームを引っ張る意識がさほどないとはいっても、状況を俯瞰し、中長期的な視野を持てるところが年長者の強み。自身の生まれ故郷を活動拠点としているKYOTO BBがこの先どうあるべきかを念頭に置きながら、今なお向上心を持ち続けてバスケットを追求し、チームスポーツの良さを肌で感じることを藤原は心から楽しんでいる。
「もっと上手くなりたいとか、自分の競技に対する想いももちろんあるんですけど、それよりもKYOTO BBを強くして、次世代につないでいきたい気持ちのほうが大きいです。京都で3×3をやりたいならそこでできるみたいな環境を残していきたいですし、私としては仲間を育てたいというよりも、周りにたくさん助けられてる分、一緒に成長していきたいというのがあります。いろんな仲間とこうやって楽しくバスケできてることに一番充実感がありますね」
とにかく今が楽しくてしょうがないという様子の藤原に「あと何年プレーしたい、何歳まで続けようというのはあるのか」と問うと、「いや、全くないんです、それが(笑)」という答えが返ってきた。これまでもそうだったように、藤原はこの先も自身の心の声に従ってバスケットと向き合うつもりでいる。
「今は、心が動いたほうに動いてる感じです。『もう引退するわ』って毎年言ってるんですけど、何かの声かけがあったりすると心が動いて『じゃあやるわ』っていう、その繰り返し。こんな感じですいませんって思うんですけど(笑)、結局は楽しくて辞められなくて」

今回のQ.O.QはJBAから2チームが参戦したため、3×3女子の前田有香ヘッドコーチが視察。藤原にとっては、立命館大の1年後輩だ。そして、トヨタ自動車時代の同期であり、高校時代から代表合宿などで縁の深かったシャンソン化粧品・平田紘美HCも観戦に訪れていた。一度は道が分かれても、第一線に身を置いているとこうして再会の機会があり、プレーすること以外にも喜びを得られるのだ。
「運命ってわからないです、ほんまに。平田とは『なんでまだバスケやってるんやろな。あの頃は辞めたいってあんなに言ってたのに』って笑いながら話しました。前田も大学のときに被ってるし、こうやってまた会えるのも、人とつながれるのも楽しいですね。バスケのおかげで良い思いをさせてもらってます。あとは体と相談ですね(笑)」
今年はKYOTO BBでの活動に加え、3×3.EXE PREMIERに新規参入したNAGOYA DERRAZE.EXEにも原田麻有とともにジョインし、既に出場も果たしている。Wリーグ時代さながらにペイントエリアで体を張る藤原の姿は、どうやら見納めになることは当分なさそうだ。
文・写真 吉川哲彦











