── お二人が感じる3×3の魅力はどんなところでしょう?
小松 やっぱり展開が速いことですね。10分、ないし21点はいった時点で試合が終わるのでやる方も見る方もすごく集中できます。今はYou Tubeで試合を見る人も多いと思うんですけど、5人制だと1試合見るのに1時間半ぐらいかかりますよね。それに対し3×3はちょっと空いてる時間に1試合丸々見られます。気軽にバスケを楽しめるのは魅力の1つだと思いますね。
落合 僕が感じる3×3の魅力は2つあって、まず1つ目はお客さん目線。たとえばBリーグの試合を観戦したいと思ったらチケットを買ってアリーナに行くのが普通ですよね。でも、3×3はショッピングモールとかいろんな場所でやるので、バスケを全然知らない人が買い物のついでに見に来ることもある。実際に「今日、初めて見ましたが楽しかったです」とか「また来ます」とか声をかけてもらうことも多くて、これまでバスケに興味がなかった新しい人たちにアピールできる競技だなあと感じています。それと2つ目はアスリート目線。3×3は個人にスポットライトが当たる部分が多いので、5人制では引き出せなかった自分の能力をいかんなく発揮できるような気がします。普段は3ポイントなんて打たない選手のシュートがめちゃくちゃ入るとか、ビッグマンが1対1を仕掛けたらめちゃくちゃ巧かったとか、そんなのはざらにありますよ。
── 自分にスポットライトが当たる、フォーカスされるというのは当然気持ちがいいものですし(笑)
小松 僕は海外の試合で2回ぐらいビッグショットを決めたことがあるんですが、ものすごい快感でした(笑)
落合 ビッグショットはFIBAの公式アカウントで動画として取り上げられるんですが、彼は(取り上げられた)自分のビデオを100回ぐらい繰り返して見てますからね。遠征先ではいっしょの部屋になることが多いんですが、気がつくとスマホから同じ音が聞こえてくる。えーっまた見てるんかい!みたいな(笑)
小松 ハハハハ…。僕はサラリーマンだから会社の理解と協力を得て遠征にも行けてるんですね。そのことにはいつも感謝していますし、その遠征試合で自分が活躍したビデオがあがってるのは嬉しいじゃないですか。いつも「頑張れよ」と声かけてくれる会社の人たちにも見てもらえれば嬉しいなという気持ちもあります。まあ、繰り返して見るのは快感を味わってるだけですけど(笑)
── 3×3の魅力、ここを見てほしいと思うところは?
落合 やっぱり身体のぶつかり合いですね。女性や小っちゃい子どもに「怖い」と言われるぐらい激しくぶつかり合うんですが、それがこの競技の特徴であり醍醐味だと思います。5人制にはありそうでないところなので、そこをぜひ見てほしいです。
小松 最後までどちらが勝つかわからない局面がおもしろい。やっていても楽しいし、きっと見ている方も目が離せないと思います。どっちに転ぶかわからない攻防を制したときはめちゃくちゃ嬉しいし、やみつきになりますね。
落合 そう、3×3はやる方も見る方も“クセになる”スポーツなんです。
part3に続く「3×3を広めていくことが自分の使命だと思っています(落合)」
文 松原貴実
写真 沼田侑悟