ワールドカップ奮戦録③

長音符に込めた覚悟

45-98

ワールドカップ1次ラウンド・グループEの最終戦、日本はアメリカと対戦し、敗れた。

完敗である。

正直に言えば、試合が始まる前から「勝つことは難しいだろうな」と予想していた。いくら八村塁がワシントン・ウィザーズにドラフトされ、渡邊雄太やニック・ファジーカスといったNBAでプレー経験のある選手がいるといっても、相手は正真正銘の現役NBAプレーヤーたちである。

しかも彼らを束ねるのはNBAを5度制したことのあるグレッグ・ポポビッチ(サンアントニオ・スパーズ)であり、選手時代に5度、ヘッドコーチとしても3度NBAの頂点に立っているスティーブ・カー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)らも彼をサポートする。いくら日本が“ビッグスリー”を擁そうとも、またアルゼンチンの名将を招聘しようとも、わずか数年の強化で越えられるような壁ではない。

むろん47年前のミュンヘンオリンピックで味わったトリプルスコア(33-99)は避けられるはずだとは思っていたが……。

終わってみれば、ほぼダブルスコア。

これが世界ナンバーワンとの差であり、今の日本の実力だと認めざるを得ない。

初戦のトルコ、第2戦のチェコにも敗れていることを考えても、世界トップクラスの背中はまだまだ遠い。見えそうで見えない。それくらいの距離感だろうか。いや、ここははっきり「まだまだ見えていない」と言ったほうがいいのかもしれない。

とはいえ、希望の光がまったく見えていないわけでもない。

最もわかりやすいのは馬場雄大があげた18得点だろう。持ち味ともいうべきアグレッシブなアタックでゴールをこじ開けた。八村に対するハードなディフェンスも「ヘイ、ルーキー、ドラフト9位らしいが、これがNBAのディフェンスだぜ」という、いわば洗礼だったが、それも裏を返せば八村塁という存在を認めているからだ。渡邊の9得点もまた、彼が今シーズンNBAでプレーするための指標になったはずだ。

 

そしてもうひとり、安藤誓哉の名前も挙げておきたい。

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