「プロ野球やサッカー、NBAも試合会場に行くまでに応援するチームウェアを着て行くのが普通なのに」という意見はごもっともである。「そもそも会場に行かないと買えないのはどうなの?」と、ジャージー1枚から話はヒートアップしていった。
先日、GM論でお邪魔した仙台89ERSは、ゼビオアリーナの横にシックなファンショップを構える。同じく滋賀レイクスターズも、ウカルちゃんアリーナにショップが併設されている。アリーナとは別の場所に横浜ビー・コルセアーズもショップを構えるなど、ウェアやグッズを買える機会が全くないわけではない。ファンショップがあるチームはJリーグやプロ野球と同じように、最寄り駅や駐車場からチームカラーの集団が大挙することだろう。
男子日本代表はJAPAN MADNESSなる国際強化試合が8月12日からはじまっている。9分間でチケットが完売し、満員が約束されているからこそ、日本代表ウェアやグッズを身にまとう方々がアリーナへ吸い込まれていく光景がほしい。そうすることで、「何かあるのかな」と、興味のない多くの方にもバスケの存在感を示すことだってできる。「ファンであれば、そのウェアを着てウキウキ、ワクワクしながら会場に行きたいはず」という声もごもっともだ。
日本人NBA選手を2人も輩出し、10月8日と10日にはNBAチャンピオンのトロント・ラプターズとヒューストン・ロケッツによる「NBA JAPAN GAMES 2019」が16年ぶりに開催される。21年ぶりにFIBAワールドカップに自力出場を決め、世界との真剣勝負が待っている。90年代初頭に起きたNBAブーム以上に、バスケ全体がメジャーになる機運が高まる今こそ、他のスポーツと比較しても群を抜いてファッショナブルなバスケウェアをもっと手軽に買えるようにするべきだ ── と答えなき議論を交わす、一般車両での楽しい酒盛りだった。
文・写真 泉誠一