〜前回のあらすじ〜
オッス、おらタクウ!
オモテサンドウってすっげぇところだな〜!
オシャレな奴らがいっぺぇいてオラ、わっくわくすっぞ!
しかも“こーひー”とかいうメチャクチャうめぇ飲みモンが、そこらじゅうから湧いて出てくるらしいな!
こうなったら腹がパンパンになるまで飲んで沖縄に帰っぞ!
よ〜し、いっちょやってみっか!
※注 今回のコラムは、前回の続きとなっています。
まだ前回のコラムをお読みになっていない方は、右上のメニューボタンをタップして「Column」のページに移動し、“第5回 『わたしの戦闘力は530000です』”を先に読んでからまた戻ってきましょう。
お持ちの端末がガラケーの場合、画面をタップしたところで現実は変わらないので、早いとこスマホに変えてください。
きっと周りの人たちも迷惑していますよ、いい加減意地を張るのはやめて素直になりましょう。
続いて訪れたのは丸山珈琲さん。
こちらはオススメされたわけではないのだが、テレビで紹介されているのを見て気になっていた場所だ。
このお店はとにかく上品さに溢れている。
違いのわかる男にはうってつけの場所だろう。
「ダバダ〜♪」とか歌いながら今にも宮本亜門が来店してきそうだ。
そんな雰囲気に合わせてか、店員さんもザ・バリスタといった服装なのだが、これがまた洗練された空間を演出している。
もちろんこれまでに訪れたお店の人たちも、一流の技術と知識を持ち合わせていたであろうことは疑う余地もない。
しかし、この服装がこの人たちを超バリスタ人とし、コーヒー力を飛躍的に向上させているような気がしなくもない。知らんけど。
僕のコーヒー力はもちろん5なので、この伝説のコーヒー民族の勧めるままにオーダーをし、出来あがりを待つことにした。
コーヒーを待つ間、店内を眺めていると若い女性の2人組が入店してきた。
2人は入るなり店内を見回し、興奮気味に声を上げていた。
歌は口ずさんでいなかった。
もしかしたらこの娘たちも僕と同じで、テレビを見てこの店に来たのかもしれない。
そう思って注目してみると、東京ではないどこか遠くからはるばるやってきたのか、表参道には少々なじまない戦闘力が低めの服装をしていた。
2人組はぎこちないやりとりで注文を終え、いかにこのお店が素晴らしいかを語り合っていたが、語彙力がちょっとだけ足りなかったのか、ほぼ「ヤバイ」しか言っていなかった。
「ねえヤバくない、あの店員の格好、ヤバイんだけど。あーゆーのなんていうんだっけ?」
「ヤバイよね、ちょーヤバイ。バチスタじゃなかった?」
惜しい。
この人たちはメスも持たなければ麻酔もしない。
伊藤淳史主演でドラマ化もされなければ坂口憲二で実写化もしない。
そういえば昔、渡邉裕規は坂口憲二に似てる説を強力に支持していた僕だったが、誰からも賛同を得られなかった。
このコーヒー、ちょーヤバイ。