オンザコートのレギュレーションは常に日本人選手の出場機会に大きな影響を与えてきた。これまで強い影響を受けてきたのは主にポストプレーヤーだったが、無制限となるB.PREMIERの場合、影響はハンドラーやウィングの選手にも及び、最低でも2人がコートに立っていた日本人選手は1人になる可能性も大。実際に、既に多くのクラブがいわゆるオンザコート4を採用している中、この日の信州は外国籍選手3人をスターター起用し、オンザコート3が多くの時間を占めた。そこにエリエット・ドンリーや東海林奨を加えたビッグラインアップの時間帯もあるなど、サイズ重視の構成だった印象が強く、ガード陣にとっては難しい状況だ。

しかし、その現実をただ悲観するばかりでは日本人選手の成長はない。土家も、出場時間は自身の手で勝ち取るものだということはよくわかっている。せっかくたどり着いたP.PREMIERの舞台なのだから、それは尚更のことだ。
「オンザコートはHCの采配にもなってくるのでコントロールできないですけど、自分が出た時間帯に、サイズがなくても自分の良さを発揮して、ビッグラインアップにはない良さを作っていかないとプレータイムは貰えない。自分の存在価値を作っていければ、勝負どころでのプレータイムも変わってきますし、自分がコントロールできる部分にフォーカスしていきたいと思ってます。プレミアで通用してるという手応えはまだ全然なくて、あと56試合ある中で『このリーグでもやれるんだ』というのをみんなに感じてほしいですし、ここを目標にやってきたというのもあるので、自分らしさを忘れずにプレーしたいです」
まだシーズンが始まったばかりとあって、チームでの土家の立ち位置もここから徐々に定まっていくことになるだろう。チームにとってどういう存在であるべきか、土家自身の考えはこのようなものだ。
「自分の役割というのは試合を重ねながら確立されていくと思うんですけど、自分の強みである得点力でチームを勢いづけたり、勝負どころでゲームコントロールしていけるようにしたいですし、僕が出たら流れが変わる、ゲームが落ち着くというようなポイントガードになりたいということは意識してます」

土家は一昨シーズン終了後に伴侶を迎えている。夫人は大学卒業と同時に競技から離れているが、早稲田大の同期であり、3×3で名を馳せる桂葵の実妹という肩書も持つ。さぞかし日常生活でもバスケット談義に花を咲かせていることだろうと思いきや、夫人は夫を陰から温かく見守っているようだ。
「例えば僕が悪いパフォーマンスだったときはそっと察して、ポジティブな言葉をかけてくれますし、一歩下がってサポートしてくれる人。僕自身オンコートとオフコートを切り替えるタイプで、それに合わせてくれるので、プライベートの時間にバスケの話はあまりしないですね。僕の試合がない日に他のBリーグの試合を一緒に見たりはしますけど、『このバスケはこうだよね』みたいな深い話はしないです」
いずれにせよ、守るべきものができた土家は、「自分1人の人生ではなくなったので、奥さんの分も背負ってやっていきたいというのはもちろんあります」と責任感も増している様子。実質的にB2から昇格したばかりの信州は、名実ともにB.PREMIERに相応しいクラブとなれるか。土家の強い意志は、それに欠かせないものとなるに違いない。
文・写真 吉川哲彦











