リーグ再編を経たBリーグの新章突入を前に、クラブとしても新たなページを開くのが金沢サムライズ。B.ONE参入を果たした今シーズンは、松藤貴秋ヘッドコーチの退任を受けて新指揮官を招聘した。1995年の東芝入団から31年もの長きにわたって川崎ブレイブサンダースに在籍してきた北卓也が、地元・石川県に帰ってきたのだ。
その北HCが率いて初めてのプレシーズンゲームが、9月8日に行われたアウェーの立川ダイス戦だったが、マーク・バートンらの3ポイントが確率良くきまり、昨シーズンのB3王者に96-81で勝利。北HCは「完成度はまだまだ」としながらも、良い感触も得ていたようだ。

「ようやく全員揃ったのが先週なので、まだやり込めてないところがあって、今日もどれだけできるかというのが正直不安ではあったんですけど、しっかり気持ちのところから戦ってくれました。今ちょっとディフェンスが課題で、チームディフェンスを少しずつ改善していこうというのがあった中で、そこが少し成長してきたなというのもありましたし、オフェンスはボールムーブしたい、ノーマークの選手にシュートを打たせたいというのがあって、今日はそれが入ったので90点台になったんですけど、シュートは水物なので、入らないときにどうするかですね。今日は相手がゾーンをしてきて、ゾーン用の練習はやってなかったので最初上手くいかなかったんですけど、説明して少し上手くいったのも良かったかなと思います」
川崎では2018-19シーズン限りでHCを辞し、その後はGM職に就いていたため、8シーズンぶりのHC業ということになる。選手交代や戦術の駆使など、状況に応じた対応が求められる仕事は、現場を離れているとその感覚を取り戻す必要がある。8年も経っていれば戦略面のトレンドも変化しており、そこにもアジャストしていかなければならない。
「勝負勘とか、いろんな判断とか、ちょっと遠ざかってるのでこれからです。戦術も僕が前にやってたときとはちょっと変わってきてるところがあるかもしれないですけど、そこはアシスタントコーチと話しながらやっていけると思うし、僕も自分が完璧だとは思ってないので、勉強しながらチームにとって最善なスタイルを見つけていけたらと思います。もちろん目指してるスタイルはあるんですけど、その中でも個々の強みを生かせるようにしていきたいですね」
この試合の前日に契約合意が発表されたばかりのジョーダン・ナタイについては、昨シーズン終盤に越谷アルファーズでプレーしていたため、北HCも対戦相手として見たことがあり、ニュージーランド代表という肩書を持つこともあって「他の選手の手本になる」と称賛していたが、その他の選手に関しては対戦の経験も皆無に等しい。指揮官としては、彼らのプレースタイルや持ち味を細かいところまで理解する必要があり、その中でカテゴリーの違いからくる難しさも感じている。

「ここまでは、選手のことをもっともっと知ろうとしてる段階なんですよ。僕はずっとB1にいたので、選手たちに求めたいものがあるんですけど、これを求めるのがB3から来たチームに合ってるのかどうか。僕が話してるときにポカンとしてることもたまにあるし、ちょっと基準を下げたほうがいいのかなと思うこともあって、いろいろやりながら選手の特徴を知ろうとしてるところです。選手も僕のことを知ろうとしてると思うし、まだ始まったばかりなのでね」
東芝・川崎は大学までの実績のある、いわゆるエリートコースを進んできた選手が集まっていたが、金沢はどちらかというと荒削りな若い選手が多く、シーズンを通して彼らの成長を促すという点にも力を注がなければならない。川崎時代とは異なるアプローチが求められることになりそうだが、「僕、東芝の1年目は最下位でしたからね」と言う北HC自身は当時に近い感覚もあるようだ。











