2018-19シーズンにB1中地区優勝を果たしたのも束の間、新潟アルビレックスBBはその翌シーズンから坂を転がり始める。コロナ禍の影響で3シーズンは降格を免れたものの、昇降格制度が復活した2022-23シーズンはB1全体の最下位でB2降格となり、翌シーズンはB2でも全体最下位でB3へ。チャンピオンシップ出場経験のあるクラブの降格も、連続降格もBリーグ初のことだった。リーグから制裁を受ける不祥事があったことなどで、ファイティングポーズを取れる状況ではなかったのだ。

しかし、池田雄一は「チームとしてのビジョンがないシーズンもあったので、方向性もわからぬままやってるけど、それでも自分は新潟から逃げたくなかったし、落ちてもここから離れようとは思わなかった」と新潟のユニフォームを着続けた。そして、そのユニフォームを脱いだ今、これまでとは異なる形でクラブに尽くそうとしているところだ。B.革新によってリーグが再編され、来シーズンの新潟は2部にあたるB.ONEのライセンスを付与された。クラブ再建はまだ始まったばかりだが、最上位カテゴリーであるB.プレミアへの足がかりはできた。
「今は底辺のほうにいますけど、来シーズンからはまた新しいフォーマットのリーグが始まるので、それを良いきっかけにして、常に上を向いていてほしいと思います。その中で自分に与えられた役割があるので、現場に携わらなくてもフロントでやれることはやりたいと思うし、フロントにいても常に意識は現場に置いてあるので、そんなに出しゃばれる立場ではないですけど、助けられることがあれば助けたいと思ってます」
B3で迎えた2024-25シーズン、かつて池田とともに地区優勝の美酒を浴びた面々が新潟に戻ってきた。中でも、五十嵐圭と鵜澤潤(現ヘッドコーチ)はクラブ再生の使命を強く携えての復帰。喜びを分かち合った仲間だからこそ、池田も2人に寄せる期待は高い。
「立て直そうという意識は当時を知る人じゃないと持てない。そういった人たちが今いるというのはチームにとって良いことだと思いますし、当時を知らないメンバーも歴史のあるチームということは理解できてると思います。そういう想いがチーム全体を同じ方向に向かせるものだと思うので、一つにまとまっていくことが今は一番大事じゃないかなと思います」

引退後の池田はクラブアンバサダーに就任したが、ただ肩書を持っただけでなく、実際に多様なフロント業務をこなしている。バスケット一筋に生きてきた池田にとっては社会人デビューに等しい状況。入団以降で最も印象に残っていることを問われて「今営業をやってることですかね」と語ったのは、冗談交じりのようで半ば本音でもある。クラブ広報担当者は、パソコンのキーボードを指1本で1つずつ押す様子を見て「こりゃ大変だ(笑)」と思ったそうだが、そんな周囲の心配をよそに、本人はあくまでもポジティブだ。
「19年所属はしてましたけどフロントを見るのは初めてだったので、スタッフさんのそれぞれの仕事内容を、部署は違えどいろんなところに目をやれて、裏方はこんなふうに仕事してたんだなというのがわかりました。ぶっちゃけ、与えられた仕事は右も左もわからないし、会議に出されても何言ってるか全然わからないし(笑)、まずパソコンを動かせない。全てが新鮮で、先輩方に教わりながら、楽しみながらやらせてもらってます。フロントでやるようなことは一切してこなかったので、面白いですよね。普段やらないことをやるって結構好きなので、良い勉強だなと思いながら、常に学ぶ姿勢を持ってやっていきたいと思ってます」











