レギュラーシーズンの成績があまり参考にならず、番狂わせが起こるのがポストシーズンの面白さであり、BリーグでもWリーグでもアップセットはこれまでに幾度となくあったが、今シーズンのB3は異常事態とも言えるレベルだった。レギュラーシーズン2位・3位・4位が揃ってクォーターファイナルで敗退し、7位・6位・5位がセミファイナルに駒を進める結果となったのだ。8位の金沢武士団が1位・香川ファイブアローズとのGAME2で18点差をつけて勝利した際は、上位陣総崩れの予感さえ漂った。
いの一番でアップセットを実現したのは、初出場の6位・立川ダイス。さいたまブロンコスとのGAME1は、リーグのアップセット頻発の呼び水となる試合であり、立川にとっては首の皮一枚つながったことが大きな意味を持った。序盤に先手を取り、試合を優位に進めていた立川だが、後半は劣勢に回り、第4クォーター残り1分39秒という最終盤で逆転を許す。1点ビハインドの残り13秒で埼玉にディフェンスリバウンドを取られ、そのままボールキープされて万事休す……かと思いきや、埼玉が1.3秒を残して得点したことにより、まだタイムアウトが1回残っていた立川にチャンスが生まれる。当然のようにフロントコートからのスローインを選択し、アンドリュー・フィッツジェラルドのブザービーター3ポイントで同点に持ち込んだ立川は、オーバータイムで息を吹き返して先勝。翌日も自慢のオフェンス力で108得点を叩き出し、他に先駆けてセミファイナルの切符をつかんだ。

GAME1の試合後、フィッツジェラルドのブザービーターの瞬間を「しびれましたね。あそこで決めてくれるのがドリュー。3シーズン一緒にやってますけど、何回もああいうシュートを見てきたので、本当に頼りになるなと思います」と振り返ったのはキャプテンの町井丈太。「チームとして初めてのプレーオフで、どういった感覚なのかをつかめない中でも一丸となって、最後まで我慢して戦えた」と手応えを感じるとともに、ただでさえ緊迫感に満ちたプレーオフの舞台で、徐々に難しくなっていった試合展開に関しても「簡単に勝てる相手じゃないし、タフな試合になることはわかってて、こういう展開も予想通りというか、点差を詰められたから焦るわけでもなく、みんなでアグレッシブにプレーできてたかなと思います」と良いマインドを保つことができていた。
町井自身は、このGAME1は第4クォーター残り5分55秒という比較的早い時間帯にファウルアウトしている。その約1分前に犯した4つ目のファウルは、ボールマンに強いプレッシャーをかけて吹かれたものだったが、闇雲にスティールを狙ったわけではなく、追い上げを受けているという状況も踏まえた、冷静な判断によるものだった。
「4つ目のファウルは、まだチームファウルが1個もなかったので、ファウル覚悟とまではいかないですけど、取れたら勢いがくるかなというのもあって、ファウルしてもまだ大丈夫と思ってました。5ファウル目はやるつもりはなかったんですけど(笑)、リバウンドのボールが落ちてきて相手の外国籍選手に絡んじゃったのでしょうがない。個人的には悔しかったですけど、僕がファウルアウトしてもチームで戦うというのは変わらないし、みんなでつかんだ勝利だと思います」

自身がファウルアウトした後はチームメートに託すしかなくなったが、「過去3シーズンも良いチームだったんですけど、ここから良い流れをもってくるぞというときの団結力が今シーズンの特徴」と胸を張る町井にとって、今シーズンの新しい仲間の存在は特に心強かった。LJ・ピークは越谷アルファーズでB1昇格の立役者となり、町井のバックアップガードでもある吉川治耀は昨シーズン山口パッツファイブでプレーオフを経験し、後にB2昇格を果たす横浜エクセレンスを追い詰めている。











