「LJがすごい選手というのはもともとわかってましたけど、今日もエースとして最後までチームを引っ張って、タフなシュートも打ちきってくれて、改めてすごいなと感じました。ジョー(吉川)さんも古巣相手にやってやろうという気持ちがあったと思いますし、第4クォーターに決めたシュートは『来てくれてありがとう』って思いましたね(笑)。『プレーオフは萎縮したら負けだよ』って心構えを話してくれましたし、キャリアが長いので勉強になるところがたくさんあります」

大学まで一貫して東京で過ごしてきた町井は、トライアウトを経て立川でプロとなった。ちょうどクラブがB3に参入したシーズンのことであり、町井のここまでのプロキャリアはクラブと歩みを同じくしている。たった1点の得失点差でプレーオフを逃すという非情な現実にも直面してきた中、4シーズン目にしてプレーオフの舞台に到達。今シーズンも必ずしも順風満帆ではなかったものの、レギュラーシーズン最終盤に2位の徳島ガンバロウズに連勝したことでチームは勢いづき、このプレーオフ初戦の劇的勝利が生まれた。中軸を担ってきた生え抜きの町井には、ここまでの道のりに感慨も少なからずあるに違いない。
「キャリアをスタートしたチームで3年間プレーオフに出られなくて悔しい思いもしたんですけど、このチームで今回プレーオフに出たことにすごく意味を感じます。当初の目標がレギュラーシーズン35勝だった中で、それに届くペースで進んでたわけじゃないし、上位に勝つけど下位に負けるみたいな波もあったので、俺たちいけるぞみたいな感じは正直言ってあまりなかった。でも、徳島さんに2連勝してからはいける雰囲気になって、その上でこういうプレーオフの入りになったので、ようやく自信がついてきたかなと思います」
町井には、「プレーオフになったら強いチームだろうな」という確信めいたものもあったという。対戦相手が7位の東京ユナイテッドバスケットボールクラブになったことにより、セミファイナルをホームで戦うことができた立川は、GAME1でフィッツジェラルド負傷のアクシデントに見舞われながらも連勝でファイナル進出を決めてみせた。アウェーだったクォーターファイナルの際に「ファンの皆さんの熱量がレギュラーシーズンとはまた違って、ギアが上がったなと感じました。僕たちはファンも含めてワンチームになっている」と語っていた町井にとっては、ホームで戦えたこともより心強かったはずだが、そんな追い風が吹いたのも立川が真っ先に下克上を成し遂げたことが起点となっている。
「今シーズンのこのチームはツイてるなとは思ってるんですけど、運を自分たちで手繰り寄せてる感じもあります。僕たちが下馬評をひっくり返してアップセットしたから、東京Uさんも『俺たちもできる』みたいな感じになったんじゃないかと思いますし、全部自分たち中心にこのプレーオフが回ってるのかなって。運は手繰り寄せるものだと、たぶんチームのみんなが思ってると思います」

Bリーグの再編に伴い、B3は今シーズン限りで10年の歴史に幕を下ろす。おそらくどのクラブもそうだろうが、立川も原宏樹代表が「B3の歴史に名を残そう」と優勝を目標に掲げて今シーズンに臨んだという。そして今、立川はその目標に手の届くところまで達した。チーム一丸となって戦えている感触を持つ町井は、「優勝して、B3の歴史に名を刻みたい」と改めて決意。クォーターファイナルGAME2でキャリアハイの27得点を叩き出すと、セミファイナルも2試合とも2ケタ得点と絶好調。アシストでもランキング2位に入ったフロアリーダーは、フランチャイズに栄冠をもたらすことができるか。
文・写真 吉川哲彦











