34試合消化時点で13勝21敗。プレーオフ進出のボーダーラインを勝率5割とした場合、残り18試合で13勝を挙げなければならない計算になるわけだが、東京ユナイテッドバスケットボールクラブは実に16勝2敗という驚異の成績で、B3史上唯一となる4シーズン連続のプレーオフ進出を決めた。宮田諭GMはボーダーラインを24敗と考え、それをクリアするためのプランをコーチ陣と話し合ったというが、見事に実現してみせた。
成績が伸び悩むクラブが打つ手の一つが選手の補強だが、宮田GMはかねてより「補強するとどうしても他の選手はプレータイムが減ることを懸念したり、『自分たちが物足りなりないからなのか』というネガティブな感情が出る」と消極的だった。しかし、宮田GMは1月に入ってジョーダン・フェイゾン獲得に動く。フェイゾンが合流して間もない頃に、宮田GMは獲得の経緯をこう説明している。
「怪我人も出て、プレーオフを目指すにはこのままだと厳しいというのがあったので、何か浮上するきっかけが欲しいと思ったんです。プレーオフはファンの皆さんも求めてることだし、そこでプレーすることがまた成長につながる。フェイズを選んだのは、どの選手にもメリットがあること。彼は自分のスタッツよりもチームが求めることをやってくれるし、チームメートの良さを引き出せる。途中からチームに入っても馴染める性格で、もともと人間的にも信頼してましたし、本人が日本に来れるタイミングでもあったので」

東京Uがプレーオフ進出を決めた4月12日の岐阜スゥープス戦の後、宮田GMに急浮上の要因を尋ねると、やはり「フェイズを入れるという判断が一番大きかった」という答えが返ってきた。「チームメートに良い影響が出るのがベストな補強」という宮田GMの理念の通り、献身性の高いフェイゾンの存在によってパフォーマンスが向上した選手は何人もいたということだが、それもフェイゾンのオールラウンドなプレースタイルや順応性の高さのなせる業だった。
「フェイズは起点になれて、みんなものびのびプレーできるというのが一番ハマったところかなと思います。彼を長年見てる人は気づいてるかもしれないですけど、キャリアの中で今が一番ディフェンスしてるんですよ。もともと賢いんで、チームのコンセプトを伝えたらすぐにアジャストできる。みんなが自信を取り戻せたのが良かったし、そのきっかけを作ったのがフェイズです」
東京Uはレギュラーシーズン最終戦を92-58という大差で勝利し、8連勝で締めくくった。フェイゾン自身は今シーズン自己最少の7得点に終わり、加入後の25試合で3度目の1ケタ得点。相手のフィジカルコンタクトに苛立つような場面も見受けられ、筆者は宮田GMから「今日はフラストレーションが溜まってるから、あまり喋ってくれないかも(笑)」と脅し(?)を受けていたが、チームの勝利を第一に考えているフェイゾンは試合が終わるとすぐにマインドをリセットし、どの質問に対しても真摯に答えてくれた。
筆者がまず訊いたのは、東京Uというクラブに抱いていた印象について。プロキャリア2年目から日本でプレーし続け、特にB3でのキャリアが長いフェイゾンは、直近の過去3シーズンは対戦相手として東京Uを見てきた。宮田GMや田口暖は東京(現・横浜)エクセレンス時代からの旧知の間柄であり、ハイデン・コヴァルは昨シーズンのチームメート。不安は全くなかったようだ。

「入る前から、この組織が素晴らしいことは理解していて、その印象は実際にここに来てからも変わっていません。自分がここに来てアジャストできるように、どうすればチームにフィットするかを考えて、ただそれを遂行するだけでした。
オファーを貰ったときからすごく楽しみで、ワクワクしました。チームメートだった選手もいるし、対戦相手として知っている選手もいる。ここからプレーオフという目標に向けて頑張っていくということはわかっていたので、本当にエキサイティングな気持ちでチームに合流して、チャレンジすることができていると思います」











