B1全体の最下位に沈む今シーズンの秋田ノーザンハピネッツにとって、4月11日の試合ほど会心の勝利はなかっただろう。越谷アルファーズをホームに迎えたこの一戦、秋田はキアヌ・ピンダーとアリ・メザーが欠場を強いられたにもかかわらず、第1クォーターで31得点とオフェンスが爆発したことで終始試合を優位に進め、今シーズン3番目に多い94得点で白星を勝ち取った。
1試合平均得点がリーグ最少というオフェンスの不具合が失点の多さにもつながっていただけに、先手を取れたことが大きかった。ただ、得点が伸びたのもリバウンドが相手を上回り、ディフェンスで相手のターンオーバーを誘ったことが要因。第4クォーターに反撃を受け、最終的に85失点を喫したとはいえ、本来の持ち味であるディフェンスから試合を作ることができたのは中山拓哉も認めるところだ。

「今シーズンは良い入りができないゲームが多かったんですけど、今日はチームとしてディフェンスから良い入りができたというのがあって、ある程度は自分たちがやりたいことができていたのかなとは思ってます。最後一気に詰められた部分はあったんですけど、そこまでは失点も少なく、今シーズンの中では良かった部分が多かったと思います」
ディフェンスとオフェンスは表裏一体。良いディフェンスから速攻という形で得点に結びつくケースは最もわかりやすいが、この日の秋田はハーフコートオフェンスでも日本人選手がアタックし、フィニッシュまで持ち込むことができていたのが好循環を生んでいた。ピンダーに代わってスターター起用された土屋アリスター時生がつなぎ役に徹したことでボールがよく回り、ガードやウィングのアグレッシブなプレーを促したという点を中山は強調する。
「1ピリ(第1クォーター)にシュートが入ったというのもあると思うんですけど、日本人選手が積極的に狙っていたのが良かったと思いますし、あの姿勢は今後も全員が続けるべきだと思います。それこそヤニー(・ウェッツェル)という一番点を取ってくれる選手が0点でもチームは31点取れてたので、やっぱり日本人選手が積極的に攻めていくことでチームとしてのリズムも生まれてくると思いますし、スティールだったり髙比良(寛治)さんのブロックからのレイアップだったり、そういうところがイージーな得点につながっていた。今シーズンそこがなかなか難しい中で今日はそれを出すことができましたし、やっぱりそれをやらないと勝てないというのはすごく思いました。
ピンダー選手は個人で点を取れる分、そこにみんな預けてしまっていたというのがありますし、今日はスタートで時生が出て、彼の役割としてボールを動かしてくれるところが今日の試合は良くて、全員がムーブすることができた。みんなでボールを回してリズムを作ろうと試合前に話していたことができたのが良かったと思います」

どのチームにもあることだが、今シーズンの秋田は故障者の続出に泣かされた。精神的支柱である田口成浩に加え、外国籍選手も相次いで負傷。赤穂雷太も現在は試合に出ることができず、この日のベンチ入りはドラフト指名した2人を加えても10人だけだった。そんな状況では、やはり秋田ブースターとしては中山の存在が今まで以上に頼りとなる。
「今シーズンもたくさんプレータイムをいただいてるので、その中で責任もありますし、田口さんや雷太も怪我してしまって、昨シーズンから一緒にやってるメンバーが抜けていく中で、より責任を持ってやらないといけない。プロは勝つことが大切だと思いますし、見に来てくれた人に何かを与えられるというのが仕事だと思うので、そういった意味でもこのチームで勝ちたいというのがあります。毎試合、アウェーでも会場に時間もお金も、命も削って来てくれる皆さんに何かを返したいという気持ちが強いです。
正直、勝てない苦しさはありますけど、多くの方が来てくれてますし、応援をやめたり無関心になったりするのは簡単だと思うんですけど、諦めずに応援してくれる。僕はそこから力を貰ってます。あと、僕自身あまりネガティブになりすぎないタイプなので、もうやるしかないというか、勝ってても負けてても僕たちがやらなきゃいけないことって変わらないので、やり続けることが仕事だと思ってます」











