琉球ゴールデンキングス戦の初戦は出場機会がなかった。しかしその試合後、佐藤賢次ヘッドコーチから「明日はあるぞ」と声をかけられた青木保憲は、日曜の試合に備える。「ポイントガードの並里(成)さんと岸本(隆一)さんのところが絶対にキーになるので、そこに対してどれだけファイトできるかが自分にとってのひとつのポイントでした」とディフェンスから試合に入った。エナジーを持って向かっていった点は「及第点でもあるかな」と納得できたが、「それは最低限の部分」でもある。
7分18秒間出場した中で、「第3クォーター終盤の不用意なファウルなど、もう少しスマートにプレーできた部分は絶対にあったと思います。積極的に向かっていくだけではなく、パッと引くところなどメンタル面での駆け引きはもっと学ばなければいけないです」とポジティブな反省点を得ることができた。
Bリーグ最高勝率チームだからこそ学べる大事な部分
選手にとって、試合に出ることこそがレベルアップにつながる。特に若い選手たちこそ失敗に学び、また成功体験が自信をつける。そのためにも、ある程度のプレータイムが必要だと感じていた。青木の場合は、特別指定選手として川崎に入団した2017-18シーズンは平均4分1秒、続くルーキーシーズンは平均5分29秒だった。そして今シーズンはこれまで平均6分38秒と、着実にプレータイムは伸びている。一方で、現時点で18試合を消化したが、4試合は出場機会がなかった。その状況の中、どう成長につなげているのか率直に聞いてみた。
「勝たなければいけないチームの一員としてのメンタルの持ち方など、すごく大事な部分を学べています。また、日本代表がチームメイトにいる環境も多くはなく、ましてや同じポジションの選手がいることは大きいです。(篠山)竜青さんだけではなく、(藤井)祐眞さんだって代表に入ってもおかしくはないようなプレーヤーであり、日々の練習から肌で感じられることは絶対にプラスになると思っています」
青木自身も、試合に出て経験を積みながら成長する方が良いことは分かっている。だが、それ以上の環境が川崎にはあった。「プレータイムを勝ち獲るための過程の部分を、僕自身はすごく重視しています。このチームを選んだ理由はチャレンジ精神であり、正直言って僕のような選手がこんなすごいチームに来られるチャンスがないと思っていたからこそ選びました」と最初から覚悟を決めていた。競争相手が多く、またそのレベルが日本一を争う存在だからこそ、「このチームの中でプレータイムや信頼を勝ち取る部分こそ、絶対にプラスになっています」。