川崎ブレイブサンダース #14 辻直人

進化する時

※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2016年9月発行vol.1からの転載

川崎ブレイブサンダースが誇る日本屈指の3ポイントシューター、辻直人。屈託のない笑顔の奥に見えた秘めたる闘志は、B.LEAGUE王者へと照準を定めていた。

── NBLラストシーズンを優勝で飾りました。Bリーグ開幕を前にした今の心境は?

開幕が楽しみという気持ちと同時に緊張と不安も感じています。というのも、うちは昨年とほぼメンバーが同じなんですが、他のチームはいろいろ補強をして昨シーズンと様変わりしているんですね。なんだかどこも強くなっているような気がするじゃないですか。どんなチームになっているのか、相手の力がわからないだけに、そこにちょっと不安があります。ただ、その中でも優勝を目指すことに変わりはありません。メンバーの変動が少ないうちにはそれだけケミストリーが強固だという強みがあるわけだし、その意味では安定感があります。昨シーズンを通してみんなで培ってきたものをベースにして、そこからさらにステップアップしていきたいと思っています。

── 7月には日本代表メンバーとしてOQT(オリンピック世界最終予選)に挑みました。初めて経験した世界の舞台の感想は?

初戦のラトビア戦では日本がやりたいバスケットを何もさせてもらえないまま大敗しましたが、次のチェコ戦では吹っ切れて自分たちの持ち味を発揮できた場面もありました。決して戦えない相手ではないというか、自分たちがやってきたバスケットは間違っていなかったという手応えを感じることができました。個人的には185cmの僕でもドリブルのスキルがあれば(タイミングを)ずらしてシュートを打てることを実感できたのは大きかったです。同時にそのためにはもっと自分のスキルを上げていかなければならないと痛感しました。やはり実際にコートに立ってみないとわからないことは多くて、それを肌で感じ、学べたことは収穫だったと思います。改めて「このままじゃダメだ」という思いも生まれました。

── そのOQTでも連続3Pシュートで流れを呼び寄せる場面がありました。自分が日本を代表するシューターだという自負はありますか?

いや、それはまだ胸を張っては言えませんね。よく“シュートは水物”と言いますが、僕のシュートにもまだ波があります。その波があるうちはシューターとして自分はまだまだだと感じています。3Pシュートに関して言えば40%を超える確率を示して初めて3Pシューターと認められると思うのでそこを目標に頑張りたいですね。それともう一つ目指しているのはこれまで以上に自分の持ち味を発揮することです。シューターと言われる人の中でも〝ドリブルをつけること〟が自分の武器であり、ドリブルをついてマークを外してからのシュート、あるいはパスというのが自分の強みだと思っているので、それをもっと生かしたい。そのために必要なドリブルのスキルアップはOQTで感じた課題でもあるので、シーズンを戦いながら成長していきたいと思っています。見る人に「辻、変わったな」と思ってもらえるように頑張るつもりです。

── ファンの皆様にメッセージをお願いします

NBLとbjリーグが一つになり、本当の日本一を争うリーグがスタートします。どのチームも初代王者を目指しているだけにたくさんの熱戦が見られることは間違いありません。全力で戦う僕らと熱い声援を送ってくれる皆さんが一つになって日本のバスケットを盛り上げていけたら最高です。ぜひとも会場に足を運んでください! そして、特に川崎ブレイブサンダースの応援をよろしくお願いします(笑)。

文 松原貴実
写真 安井麻実

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