偶然にも晴山が一緒に川崎から京都へ移籍。今シーズンはメンバーが7人も入れ替わっている。昨シーズン開幕当初は平均29・7歳だったが、今は27・4歳とフレッシュなチームになった。永吉と晴山とともに、大学時代は日本一を争ったライバルである坂東拓、頓宮裕人が仲間になったのも心強い。
年齢的に見ても今シーズンはバランスが良くなっていて、僕と(綿貫)瞬さんが4つ違い。その間がおらず、僕が平成3年生まれなので、まさに昭和と平成という感じできっちり分かれてます。(笑)先輩たちはすごく優しくて、僕たちに遠慮させることなく、力を引き出そうとしてくれています。
川崎時代からディフェンスとリバウンド、身体を当てるという泥臭いプレーとともに、昨シーズンはシュート率が上がったので(43・8%→54・3%)、そこも評価してもらったと思っています。泥臭い部分とアウトサイドシュート。練習中は、「こんなに打っていいのかな」と思うくらい3Pシュートを打たせてもらっています。
僕らの世代がリフレッシュした新しい京都を見せていきたいです。アグレッシブなチームになると思っています。その分、観に来てくれたお客さんには、すごく楽しいゲームを見せていきたいです。チャンピオンシップに出るのは「絶対目標」であり、最終目標としての「優勝」はみんなが必ず持っていなければいけません。
本当に関西は良い人たちばかりです。フランクにいろんな人とお話できたり、熱くなったりしてくれることを今、実感しています。昨シーズンは関西のチームがひとつもチャンピオンシップに出ていません。でも、関西はもっとバスケットで盛り上がるべきだとも思っています。そのためには勝って証明しなければいけないし、その中で僕らが頭ひとつ抜け出せるようにならなければいけないと思っています。また、昨シーズンの京都は観客動員数も伸び悩んでいたらしいので、今年はそこも力を入れていきたいです。人気面でも東地区に並びたいですし、越えたいです。そこがひとつのモチベーションです。
集客へ向け、永吉はすでに行動を始めていた。ランチには必ず、地元に根付いたお店に行くようにしている。見た目に大きく、そのキャラクターも相まって、必ず「何してる人?」と声をかけられるそうだ。「京都ハンナリーズでバスケやってます」と胸を張って答える。さらに、「ぜひ、試合を見に来てくださいよ」と地道なアピールも忘れてはいない。ファンの力が重要だということは、黄色く染まったファイナルで痛感させられた。新天地で成功するために欠かせない努力を、コート上でも、コート外でもその準備には余念がない。
文・写真 泉誠一