3×3シーンを引っ張ってきた自信と責任があり、誰にも負ける気はしない
眞庭城聖(茨城ロボッツ)と同じく、落合もUNDERDOG出身、ストリートボールをルーツに持つ。『WORM』と呼ばれる落合は、絡みつくようなリバウンドを武器にしていたデニス・ロッドマン(80〜90年代に活躍したNBAレジェンド)を尊敬し、同じニックネームを継承する。2010年に有明コロシアムで開催された「STREET2ELITE」では、来日したロッドマンとのマッチアップも実現。落合もリバウンド力が高く評価され、その力をB2や3×3で遺憾なく発揮している。
FIBAが競技として整備しはじめたときから3×3に取り組み、今も日本代表として第一線で活躍する。別チームではあったが、眞庭とともに日本人初参戦した2012年のウラジオストック大会を振り返れば、「コンクリートの上で試合をしました。しかも雨…」。その後の急速な変化を体験し、オリンピック競技へと昇華していった過程も全て目の当たりにしてきた。
「環境が整備されていなかった頃からずっとやってきたので、オリンピック競技となり、そこに日本が出られることになったのは感慨深いです。ストリートで培った気持ちを忘れないように、今も戦っています。ストリートで戦っていたあの3on3が、今ではオリンピック競技になったこと自体が、未だに半信半疑な感じもありますね」
世界ランキング8位の男子日本は、開催国枠でのオリンピック出場を決めた。「どれだけ気持ちで負けず、絶対に倒してやるという闘争心がすごく大事」と掲げるモットーで、日本代表の4人に入るためにも負けられない。
「日本において3×3を引っ張ってきたという自信があるし、責任もあります。今はB1の選手が代表候補にたくさん入っていますが、誰にも負ける気はしない。自分が日本代表として東京オリンピックでメダルを獲るんだという思いがあり、出場が決まったことで一層、気が引き締まりました」
3×3はエリートもストリートも関係なく出場することに意義があり、その結果がそのまま日本のランキングに反映される。この1年間、様々な大会に出場してきたみんなで勝ち獲ったオリンピック出場権であり、強い女子はきっと自らの手でチャンスをつかんでくれると信じている。日本のために戦っている全ての3×3ボーラーたちに感謝したい。
そんな3×3を見たい方に朗報がある。早くも今週末に大会やイベントが待っている。11月9日・10日は大阪(TWIN21)にて「3×3 JAPAN TOUR EXTREAME」が開催され、来年1月のFINAL進出を懸けた争いが繰り広げられる。11月8日から10日は東京(渋谷キャストガーデン)で、FLY magazine監修の「WHITE NIGHT PLAYGROUND powered by FLY」が行われ、女子3×3大会「3W」や、伝説のプロストリートボールリーグ「LEGEND」が一夜限りの復活。オリンピックに先駆け、今から3×3を見ておくことをおすすめしたい。
3×3のパイオニアたちに感謝
・前編 UTSUNOMIYA BREX.EXE 齊藤洋介
・中編 UTSUNOMIYA BREX.EXE / 茨城ロボッツ 眞庭城聖
・後編 TOKYO DIME / 越谷アルファーズ 落合知也
文・写真 泉誠一