劇的な幕切れだった。残り9.6秒、韓国はこれを決めれば、ほぼ負けがなくなる。そんなフリースローの2本目を外してしまう。日本の馬瓜ステファニーがリバウンドを取って、ガードの田中こころへ。そのままドリブルで進み、スクリーンといくつかのテクニックを駆使して3ポイントシュート。アリーナ内のスコア表示が【75-77】から【78-77】へと切り替わる。残り0.2秒での逆転勝利だった。
コーリー・ゲインズヘッドコーチは前日の快勝を受けて、第2戦が「タフなゲームになる」と確信していた。韓国がこのまま引き下がるとは思えない。実際にそうなったわけだが、苦戦のなかでどう抜け出していくかは、日本が世界で勝っていくためのポイントでもある。ゲインズヘッドコーチは、自らが抜擢した田中がその信頼をさらに高める逆転のシュートを決めたこと以上に、韓国への敬意と、日本の反省点を述べたうえで、結果に至るまでの流れを評価した。

「何よりも最後まで諦めずに戦ったことは誇りに思っています、シュート入るか入らないかだけではなく、最後まで40分間、日本の『ペース&スペース』を信じてくれたことは本当に大事なことだと思います」
拮抗したゲームは、その勝敗に関係なく、チームが成長していくうえで欠かせない。
大会の前日、馬瓜は今回の韓国との三井不動産カップについて「接戦になるかもしれないし、負けそうになるかもしれない。そのなかでちゃんと勝ちにこだわれるかがすごく大事になってくる」と言っていた。彼女自身も第2戦の第3クォーター終盤、2桁差を追う場面で連続8得点をあげ、逆転勝利への道筋を固めていった。2023年からスペインでプレーする馬瓜にとって、そうした劣勢のときにこそ勝利へのこだわりを色濃く見せる海外での経験は生きてくる。上記の言葉はそんな経験から出てきたものだ。
「これまでもワールドカップなどで負けたとき、試合後のミックスゾーンで『気持ちの部分で負けた』という言葉を何度も聞いてきたし、私自身はそれをもう言いたくないんです。そう思ったときに、むしろそこ(気持ちで負けないこと)から始めれば、日本は強いんじゃないかって。日本は別に弱いチームなわけではないので、気持ちの面で気圧されない。そういった意味でもディフェンスの気迫だったり……コーリーからも『しっかり手を伸ばせ。相手に圧を与えろ』みたいなことは言われていますし、そういったところを表現できるかが大事なのかなって思います」

苦境を救ったのは、負けず嫌いな田中の性分だけでなく、馬瓜の経験だけでもない。9月開幕のワールドカップにロスター入りすれば、2010年のチェコ大会以降、5大会連続でのワールドカップ出場となる髙田真希はベテランの存在意義についてこう言っている。











