プロ・アマ混合リーグとしてBリーグとは別組織で運営されてきたB3リーグは、長らくオールスターとは無縁だった。一昨シーズンの終了後に能登半島地震の復興祈念として初めて開催されたが、関係者の間では1回限りのチャリティーイベントという認識があったそうだ。リーグが10年の歴史に幕を下ろす今回、最後のチャンスにオールスターが再び開催されたことは喜ばしい。
招集されたメンバーも、現役の選手・コーチに限るとはいえ、リーグの歴史を彩った面々が揃った。特筆すべきは、かつてB3に所属したクラブからも選手が送り込まれたことだ。現B2からはともに昨シーズンまでB3所属だった岩手ビッグブルズ・石川晴道と横浜エクセレンス・西山達哉、現B1からは越谷アルファーズ・ジャワラ ジョゼフと佐賀バルーナーズ・井上諒汰が参戦。ジャワラは徳島ガンバロウズ在籍時だが、いずれもB3でのプレー経験を有する選手たちだ。

過去にB3からB1まで昇格したクラブは5クラブあるが、Bリーグ発足以降に産声を上げたクラブで初めてB1昇格を果たしたのが、2022-23シーズンにB2ファイナルを戦った佐賀と長崎ヴェルカだった。佐賀は新規参入したシーズンに全体1位となってB2に昇格したため、B3には1シーズンしか所属していないが、今シーズンB1王者となった長崎とともに、Bリーグ以前を知らない新興クラブの台頭を象徴するような存在。生え抜きであり、今の佐賀のロスターで唯一B3時代を知る井上は「佐賀もB3に所属させていただいて、そこからB2、B1、そしてB.プレミアの舞台を踏めるということにとても感謝していますし、そのステップを踏めたことが重要だった。その感謝を伝えられるようなプレーができて良かった」と、このオールスターに参加した意義をかみしめた。
B3に参入した2019-20シーズンの佐賀はアイシン・エイ・ダブリュ、豊田合成、岩手と激しい首位争いを演じていたが、コロナ禍によってシーズンが打ち切られ、他の3クラブとわずか1ゲーム差というギリギリのB2昇格だった。井上は「言葉を選ぶのも難しいですけど、僕たちとしてはついていた」と率直に当時を思い返す。
「首位の岩手さんを1ゲーム差で追いかけていて、直接対決で2つ取って、次の節で2勝した後に全く試合ができなくなってしまった。暫定順位での首位で昇格という形だったので、そのタイミングで岩手さんに勝っていなかったら今の位置はないと思いますし、岩手さんは悔しかったと思います。できれば60試合戦って、チームとして正しい方法で上がりたかったなという思いはあります」

運も味方につけたという現実はあるにせよ、首位との対戦を勝ちきって自ら昇格を引き寄せたのは事実であり、佐賀がその後地道に強化し、クラブとして順調に成長していったこともまた事実。その過程で、プロ選手を目指して当時まだ地域リーグだった佐賀に入団した井上も成長し続けた。B3時代は3試合しかなかったスターター出場が、B1昇格後の最初の2シーズンはいずれも50試合以上。単にポテンシャルを証明してみせただけでなく、大学までエリートと呼べるような経歴を持たず、トライアウトを経ての入団だったことを考えれば、その伸び率は驚異と言っていい。ブレることなく自身の武器を磨き続け、クラブの昇格に伴って高くなるレベルにしっかり順応した結果だ。











