「僕自身はそこまで大きく役割が変わるわけではなくて、ディフェンスと3ポイントの2つが自分の仕事。カテゴリーが変わってもそこは変わることがないですし、B3だからレベルが低くてB1だからレベルが高いということでもないと僕は思ってやってきました。どのリーグも僕にとっては難しかったですし、1勝する難しさというのはどのリーグでも感じました」
B2とB1で3シーズンずつ過ごしてきた井上がB3のコートに立つのは、7シーズンぶりということになる。その間にB3のレベルも格段に上がったが、Bリーグのオールスターに比べると選手たちがある程度真剣勝負をする点は、一昨シーズンのB3オールスターから変わっていない。「中務(敏宏、徳島)大先輩を中心に良い雰囲気を作っていただきましたし、プレー面でもソウ シェリフ(トライフープ岡山)さんのスクリーンからのダイブを起点に、とてもやりやすかった」と振り返った井上も、即席チームにとどまらなかったB3オールスターの面白さを感じていたようだ。

「オールスターといえどもディフェンスの強度は高かったですし、プレーしてる皆さんが本当にシュートの精度も高くて、何より楽しくバスケットされてたので、ブースターの方も選手もリーグによって違うということはほとんどないなと思いました」
もちろん、今後は井上もクラブもB3と呼ばれる舞台に立つことはもうない。B2では優勝を果たし、今シーズンはB1で初めて勝率5割を超えた佐賀にとって、B3での1シーズンはどのような意味を持っていたのか。ミスターバルーナーズと呼ばれて久しい井上は、こう考えている。
「あそこが僕たちのステップアップの第一歩だったと思いますし、あそこがなければチームとしても今こういったステップは踏めてないと思うので、佐賀バルーナーズがどういうチームになっていくかというところの一番重要なターニングポイントだったんじゃないかなと思います」
クラブの進化においても、1人のバスケット選手の進化においても、B3というリーグはその土台になった。厳然たるヒエラルキーの上では3番目の扱いであっても、プロクラブ・プロ選手としてのスタートラインという大きな役割を果たしていたのがB3。佐賀と井上は、そこを起点に成功を収めた代表的な例として、今回のオールスターに相応しい存在だったのだ。

文・写真 吉川哲彦











