プレーオフ制度導入以降の3シーズン、B3はアップセットが少なからずありながらも、最終的にはレギュラーシーズン1位のクラブがファイナルを制し、優勝を飾っていた。しかし今シーズンのB3は、稀に見る大波乱のプレーオフとなった結果、立川ダイスによってそのジンクスが破られた。
立川はレギュラーシーズン6位だったが、4連勝と上り調子で突入したプレーオフはクォーターファイナルでさいたまブロンコスを撃破すると、セミファイナルは7位の東京ユナイテッドバスケットボールクラブをホームに迎え撃ち、GAME1でアンドリュー・フィッツジェラルドが負傷するというアクシデントにも屈せず連勝。その勢いはファイナルでも止まることなく、1位の香川ファイブアローズを連破して頂点に立ったのだった。
アリーナ立川立飛で開催されたB3オールスターの翌日、アリーナからほど近い立川市役所で優勝報告会が開かれ、クラブは酒井大史・立川市長ら来賓とファンから祝福を受けた。間橋健生ヘッドコーチは「ファイナルがアウェーだったので、ようやく皆さんと喜びを共有できた、分かち合えたというのがすごく嬉しかったですし、皆さんの笑顔を見られて本当に良かったと思います」と感慨深い様子だった。

かつて、プロ野球・セントラルリーグでヤクルトが優勝した際に当時の若松勉監督が「ファンの皆様、おめでとうございます」と発言したことがあった。それ以来、当事者がファンに対して祝福の意を表すケースが時折見られるが、今回の優勝報告会でも間橋HCはファンに向けて「この優勝は皆さんが勝ち取ったもの。おめでとうございます」とスピーチしている。これは、ファンとともに戦ってきたという意思表示でもある。
「私はファミリーという言葉がすごく好きで、皆さんが『立川ダイスが勝った、負けた』ではなく『俺たち、私たちが勝った、負けた』というくらい、街が一体となって戦うというのが理想でした。本当にみんなで勝ち取った優勝だと思います。立川ダイスというクラブは選手やスタッフ、フロントスタッフだけでなく、立川という地域の皆さんのものであって、ダイスイコール立川であり、立川といえばダイスというふうになっていくと、理想的なクラブ組織になるんじゃないかと思ってます」
立川がB3優勝を決めた後、立川市内にあるJRや多摩モノレールの一部駅で、優勝を祝うメッセージが行先案内の電光板に流された。数年前までアルバルク東京のホームタウンだった街は、立川ダイスを抱える街へと着実に変貌している。地域に根づいてきている実感について、間橋HCはこんな例えを挙げてくれた。
「スターバックスコーヒーのロゴって、皆さん見ればスターバックスだってわかると思うんですけど、あのロゴにスターバックスって書いてないじゃないですか。ただ、あれを見ただけですぐわかるという、それくらいの認知度があるわけです。立川の街も、ダイスがすぐに思い浮かぶくらいになればいいなと思いますね」

クラブ初のプレーオフ進出を果たしたといっても、順調なシーズンを送ってきたわけではなく、アップダウンもあった。ただし、これはキャプテンの町井丈太も語っていたように、レギュラーシーズン残り2節というところで迎えた2位・徳島ガンバロウズ戦に連勝したことは大きかった。勝てば選手たちと同じようなテンションで喜びを表現する間橋HCは、プレーオフでは選手たちをいかに乗せるかをより意識したようだ。











