2度の移籍の理由は「知りたい」という好奇心
── 今シーズンもキャプテンとしてレバンガ北海道を牽引する橋本さんですが、ここでは選手としての道のりについてお聞きしたいと思います。プロとしてスタートを切ったのはJBL時代のアイシンシーホース(現・シーホース三河)ですね。黄金期と言われたチームからベテランガードの佐古賢一さんが引退し、主力だった網野友雄さん(現・白鷗大学監督)と竹内公輔さん(現・宇都宮ブレックス)が移籍し、 “新生アイシン” を目指すシーズンだったと記憶しています。
橋本 記憶に間違いはないですね(笑)。僕がアイシンに入った2011年は主力が3人抜けて、戦力ダウンの声も聞こえたシーズンでした。ルーキーの自分としては弱くなったとは言わせない!みたいな気持ちもあったし、そのわりにまだまだ大きな戦力になりきれないもどかしさもあったし、いろいろ大変な1年でした。でも、苦労した分学びも多かった気がします。ヘッドコーチの(鈴木)貴美一さんやアイシンの顔とも言える桜木ジェイアール(現・越谷アルファ―ズスーパーバイジングコーチ)からはアイシンが刻んできた歴史を教えられたし、何よりプロとして戦う勝負の厳しさ、どんな状況でもあきらめずにトライし続ける姿勢、そういったものを叩き込まれたと思います。それは今も自分の身体にしみ込んでいますね。
── シーホースでの7年間が今の橋本竜馬の根幹になっていると?
橋本 そう思います。プロ選手としての自分を育ててくれたのはあの7年間でした。それは間違いないと思っています。
── その7年を経て、2018年に琉球ゴールデンキングスに移籍しました。シーホース三河ファンのみならず多くのバスケットファンを驚かせた移籍だったと思います。
橋本 そうかもしれませんね。あのときは移籍を決めた理由をいろんな人から散々聞かれました(笑)。自分としてはシンプルに『別の場所で別のバスケットを経験してみたい』という気持ちでした。ひと言でバスケと言ってもいろいろなスタイルがあって、いろいろな練習法があるなあと、まあそれはあたりまえのことなんですが、日本代表に選んでいただいたときもそれを強く感じたし、何て言うんですかね、本当にごくシンプルに『今とは違うバスケットを知りたい』と思ったんです。シーホースで7年間やってきた自分は本当にたくさんのことを学ばせてもらったけど、それと同時に頭でっかちになっているような気がしました。
── 頭でっかちですか?
橋本 うーん、頭でっかちというか、頭が硬くなっている自分を感じていたんですね。自分のバスケット人生に刺激を与える新しい環境が必要なんじゃないかと思ったとき、独特のカルチャーを持つ沖縄という土地に根付いた琉球ゴールデンキングスに興味が沸いたんです。自分が “外” を知るためにも行ってみたいチームだと思いました。