早いもので、2023-24シーズンのWリーグは間もなくレギュラーシーズンを終え、プレーオフに突入する。来シーズンの1部参入の権利も与えられるプレーオフの8枠は既に埋まり、残る6チームはシーズンの幕を閉じることになる。
飛躍を期して東京羽田ヴィッキーズに移籍してきた岡田真那美にとっては、長い欠場期間が悔やまれるシーズンだった。昨シーズンまで過ごしたトヨタ紡織では「プレータイムがほぼゼロに近い感じで、自分の得意とするプレーはあまりできなかった」という岡田は、愛知学泉大の先輩や同期がいた関係で、東京羽田に関する話はよく聞いていた。それゆえ、オファーを受けた際も迷うことはなかったようだ。
「聞いた印象もすごく良かったし、対戦しててもチームみんなで戦う団結力が強いチームだなという印象があったので、ヴィッキーズから声をかけていただいたときは嬉しかったです。こういうプレーをしてほしい、こういう使い方をしたいということも前もって言ってくださって、自分がそれまで得意だったプレーを求めてくださっていたので、やりやすいかなというのもありました」
実際、チームに合流してみると「大きいチームではないので、スピードを生かして全員が走るチーム。ポジションは一応あるけど、関係なくみんながドライブしたりポストアップしたり、自分がやってきたバスケットに近かった」とのこと。それでも「最初はチームのプレースタイルにうまく絡めなくて、サマーキャンプとかオータムカップはなかなかチームに合わせられなかった」ということだが、レギュラーシーズンに入る頃にはフィット。古巣と戦った開幕2試合目でスターターに抜擢されると16得点11リバウンドをマークし、そこからスターターとして目覚ましい活躍を見せた。
“好事魔多し” という言葉があるように、好調な選手は時折試練を与えられる。岡田は、11月12日のアイシン戦で負傷。これが思いの外重かったことで、復帰までには時間を要した。その間にチームは皇后杯で大学勢に敗れるなど、黒星が込む。遠征に帯同できない岡田は、悶々とした日々を送ることとなる。
「結構キツかったです。まだ試合が残ってる中で、会場にも行けないくらいだったので焦る気持ちもあるし、早く戻らなきゃって思うけど手術しちゃったから戻れなくて、ソワソワしながら過ごしてました。みんななら勝てると思ってるんですけど、そこに自分もいれたらなと思いながら配信を見てましたね」
岡田が復帰したのは、負傷から3カ月以上経った2月25日のENEOS戦。Wリーグの中断期間によってこの長さになってしまった面もあるが、欠場を強いられていた間にもチームは一定の試合数を消化し、ENEOS戦を終えた時点でレギュラーシーズンは残り6試合となっていた。岡田もこのENEOS戦は5分49秒の出場にとどまり、シーズン前半のような働きを見せるには至らなかったが、まずは戦列に復帰できたことが何よりだ。
「開幕のときと同じくらいソワソワしちゃいました(笑)。ケガする前のパフォーマンスにはまだもっていけてないし、自分のイメージと体の表現のギャップはあるんですけど、コートに戻れたことは嬉しかったし、楽しかったです」