相次ぐケガ人の穴を埋めた田中真美子が自然体でチームに貢献
Wリーグはレギュラーシーズンを終え、4月1日からはじまるプレーオフへ進出する8チームが出揃った。前節まで首位を走っていた昨シーズンのチャンピオンであるトヨタ自動車アンテロープスの最終戦は、2ゲーム差で追いかけるデンソー アイリスと対戦。2連勝したデンソーが勝率で並び、直接対決で上回ったことで順位を入れ替え、逆転1位通過でプレーオフへ。3位は三菱電機コアラーズ、ENEOSサンフラワーズは4位で続き、クォーターファイナルからスタートする。富士通レッドウェーブは昨シーズンと同じく5位。セミクォーターファイナルも同じく、8位の日立ハイテク クーガーズとの対戦が決まった。6位のトヨタ紡織サンシャインラビッツと7位のシャンソン化粧品シャンソンVマジックとともに、セミクォーターファイナルとクォーターファイナルの一発勝負から勝ち上がらなければならない。
昨シーズンの準優勝チームである富士通は、16勝10敗と思うように勝ち星を積み上げられないまま5位に終わった。2月25日に再開したレギュラーシーズンより、キャプテンの宮澤夕貴が復帰。しかし、3月5日のトヨタ紡織戦でふたたび負傷し、最終戦まで欠場を余儀なくされた。宮澤とともに、今シーズンは先発を任されていた藤本愛紀もケガで欠く中、プレータイムを得たのが4年目の田中真美子である。昨シーズンより10分ほど長い平均24分出場する中で、「自分らしさを出して、富士通の勝利に貢献できたことはうれしいなと素直に思います」と充実したシーズンを送っている。
プレータイムの増加とともに平均8.2点、6.4リバウンドとスタッツも倍増させた。しかし自己評価は、「シュートのフィニッシュ力やディフェンスなど、本当にまだまだ足りていない部分ばかりです」と満足はしていない。試合に出られているからこそ、「責任を持ってレベルアップしなければいけない」と続け、BTテーブスヘッドコーチの信頼を少しずつ勝ち取ってきた。
シューターの宮澤や、インサイドの新たな要となる藤本といったポジションやタイプの違う選手の穴を埋めなければならない。どちらの仕事も兼ね備えている田中だが、「むしろ今までは3ポイントにこだわって、それが自分の首を絞めていました」と自らのプレーを見つめ直す。「どのポジションで出ても、まずはリバウンドや合わせのプレーでチームに貢献しようと心がけ、それが結果としてできました。そういう意味では、本来の自分のプレーを活かせたと思っています。それにプラスして、今まで練習してきた3ポイントも自信を持って打てるようになりました」という学生時代から培ってきた自然体のプレーで飛躍を遂げた。