part2より続く
フィジカルやスキルだけじゃない、頭脳も必要とする3×3
── 現在、国内のポイントランキングで1位の山本選手ですが、3×3での課題は何ですか?
山本 シュートフィニッシュです。ツーポイントのエリアをもう少し広げないと世界では通用しないのかなって思っていますし、ドライブに行ったときのフィニッシュも課題です。3×3ではどうしても大きい選手ばかりが相手になるから、大きい選手に対してドライブに行ったときのシュートをしっかり決めきることが課題です。
── フローターなどを身につけたいと?
山本 フローターってビッグマンがヘルプに来たときのシュートだと思うんですけど、3×3ってあまりヘルプがないんです。だからフローターというよりは1対1で競り合っている相手がいる中で決めきるシュートフィニッシュが課題です。
── そのスキルは5対5と異なるものですか?
山本 スキル自体は一緒だと思います。ディフェンスとボールの間に自分の体を入れて、たとえばフックシュートを打つとか、ミドルラインドライブから体の向きを入れ替えるようにしてリバースレイアップを打つとか。そうしたスキルと合わせて、状況に応じたシュートを選べるような判断力も鍛えなければいけません。
── スキルだけじゃなく、3×3は大きな音楽がかかるなかでプレーしています。コート上のコミュニケーションはどうしていますか?
山本 焦らないことが一番冷静な判断力につながると思うので、ミスをしてもみんなを落ち着かせるような声掛けを心がけています。3×3では残り1分でも時間があるほうなんですね。だから最後までしっかり気持ちを持たせて、残り5分で焦ったりしないよう常に声を掛けています。
── 確かに1回の攻撃時間が12秒だと、単純計算でも1分で2回、もしくは3回のオフェンスができる。5対5なら1回か、多くて2回です。
山本 しかも5対5だとキープすることもあると思うんですけど、3×3だとまだわからないからどのチームも攻めてくるんです。時間の使い方は違いますね……それが5対5と一番違うところかもしれません。
── いわゆるタイムマネジメントですね。そこはもう慣れましたか?
山本 いや、まだ慣れないですね。慣れというよりも、経験を重ねていって、この点差のときはこうとか、経験していかないとわからないことだと思っています。
── 多くの国際大会に出ていても、まだまだ経験が少ないと?
山本 はい、まだ全然浅いと思います。前田(有香)さんたちのように毎週3×3をやっている選手の考え方はいつも勉強になります。昨年の秋に合宿をやったとき、前田さんにはいろいろ教えていただきました。たとえばオーバータイムのときにマイボールだったら、2点を狙うのか、1点を狙うのか。ディフェンスだったらどうするのか? ファウルの関係もあるけど。そういうことを聞いたりしました。