part1より続く
3×3では攻守の切り替えをいかに早くおこなうかが勝敗のカギ
── 3×3との出会いはいつ、どこで、ですか?
山本 昨年(2018年)くらいかな、最初はSOMECITY(サムシティ。3on3形式のストリートバスケットリーグ)がおもしろくて見に行ったんです。その後、3×3EXE.PREMIER(エグゼ.プレミア)が栄(名古屋市内の繁華街)であったので、見に行ったのが出会いです。高校まではほとんど知りませんでした。
── 山本選手と3×3の関係で思い出すのは、昨年のU23ワールドカップで準優勝し、ベスト3にも選ばれたことです。あれは3×3を初めて何戦目くらいですか?
山本 2大会目ですね。最初にプレーしたのは宇都宮でおこなわれたU23のネーションズリーグです。それも前日……いや、2日間くらい練習をして、そこから3×3を本格的に始めました。
── それで優勝したわけでしょう? 何がうまくいってスッと入っていけたんでしょう?
山本 宇都宮大会は栗林(未和・富士通レッドウェーブ)さんと宮下(希保・アイシン・エイ・ダブリュ ウィングス)さん、髙原(春季・アイシン・エィ・ダブリュ)さんとチームを組んだんですけど、年齢が近かったし、アンダーカテゴリーの日本代表でも何度か一緒にプレーしたことがあったので合わせやすかったんです。そのうえでみんなが個々で強みを持っていたから、それをうまく出せたんだと思います。
── 山本選手自身は何がうまくいったのでしょう?
山本 やっぱりロングツー(5対5の3ポイントシュート)。ツーポイントラインのちょっと離れたところからでも打てる選手はあまりいないから、今もそれは強みにしてやっています。
コンタクトで体力を削られる、見た目以上にハードなスポーツ
── 3×3をプレーする前の印象と、実際にプレーしてみての感想は違いましたか?
山本 違いましたね。見ているときは自分の持ち味を好きに出せそうだから、楽しそうだなって思っていたんです。でも実際にやってみるとめっちゃきつかったです。こんなにきついんだって(笑)。もちろんコート上にいるのは3人なので、自分の好きなことができて楽しいんだけど、3人しかいない分、一人ひとりが役割を果たさなければいけない。誰か一人でもさぼると、タイミングひとつをとっても、3人だからそのズレが大きく目立つんです。だから常に休めないんです。
── 5対5ではいい意味で力を抜けるときがある。3×3にはそれがないと。5対5との違いはそこが一番大きいですか?
山本 それ以外にも判断に対する基準が違いますよね。5対5だとオールコートのスペースがあって、そのなかで判断していくわけですけど、3×3だとハーフコートよりもやや狭いスペースの中で瞬時に判断をしなければならない。オフェンスとディフェンスもすぐに切り替わるし、5対5よりも早く切り替えないと追いつかないんです。でもそうした3×3ならではのトランジションが多くある分、自分の持ち味を発揮しやすいです。