インカレ2018で専修大学の盛實海翔を見てきた。巷で「和製ジェームズ・ハーデン」とも言われるシューティングガードだ。緩急をつけた動きに1対1でのドリブルハンドリング、巧みなボディコントロール――なるほどハーデンを彷彿とさせるプレーが随所に見られる。左利きというのもハーデンと同じだ。
しかし彼の魅力はそれだけにとどまらない。
彼を止めようとディフェンスが仕掛けてこようものなら、わずかなズレを見逃さず正確なアシストパスを出す。本人はそれを「ちょっとギャンブル的なところもある」と認めるが、それでも「狙えるところは狙っていくようにしています」と言い、結果的に大会のアシスト王に輝いた。
“声”の力もある。審判のハンドチェッキングに対する笛が多いと気づけば、すばやくチームメートにそれを伝える。手の使い方に気を付けろと言うわけだ。バスケットカウントにチームが盛り上がっているときも、むろん彼も喜びながら「次のディフェンスが大事だぞ」と釘をさすことも忘れない。
ポジションの性格上、得点をあげることを一番に狙いながら、多彩なパスでチームメートを生かし、適切な言葉でチームを引っ張る。そこに彼のなかの“ポイントガード”を見出すことができる。
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