「自分が点を取ることでチームに勢いをつけられる」本多青
関東大学オータムリーグ2部は2週目を終えた。今シーズンは試合日程が区々となる中、3連勝の明星大学と5連勝で首位に立つ国士舘大学による無敗同士の対戦。平均89点を誇るオフェンシブな明星大学に対し、第1クォーターから27-11と圧倒して行ったのは国士舘大学の方だった。
「明星大学の29番(岡田泰希)と3番(加藤嵩都)は3ポイントシュートもドライブもすごいので、チームとしてそこを守ることを決めていました」と#13本多青が言うように、国士舘大学がディフェンスで流れをつかむ。#7樋口陸らガード陣がボールマンに対し、どんどんプレッシャーをかけていく。他の4人はいつでもパスカットを狙う準備をし、タフショットを選択させれば、#10ダンテ スレマニィや本多らインサイド陣がリバウンドを拾って、一気に自陣へと攻め上がる。明星大学の得意なオフェンスを許さない完璧なチームディフェンスから速攻を出した国士舘大学が98-65で快勝し、無傷の5連勝で首位をキープした。
3年生の本多は、28点/17リバウンドのWダブルの活躍でチームを引っ張る。3試合連続20点オーバー、Wダブルも3試合を数える。小倉一訓監督からも得点力を期待され、「自分が点を取ることでチームに勢いをつけられる」とその力を発揮する。しかし、基本となるのはチームのスタイルと同じくディフェンスの方だ。192cmの本多が2mを超える相手の留学生と対峙することもあれば、明星大学のようなアウトサイドを得意とする低い選手とマッチアップすることもある。「松島コーチには、上を目指すのであれば、3番ポジションをできるようにならなければいけないと常に言われています。自分より小さくても大きくても変わらずにマークできるようにならなければいけないので、そこは意識してがんばっています」という本多はプロを目指す一人だ。
NBL時代の兵庫ストークス(現・西宮ストークス)やレバンガ北海道で活躍した松島良豪アシスタントコーチは、自らの経験を踏まえ、「それぞれが今担っているポジションが得意なのは当然です。そこができるのは当たり前であり、Bリーグなどプロに行くためにはさらなるステップアップが必要です」と現状に満足させず、挑戦をさせている。本多以外にも#18上條深古都(2年/192cm)や#3佐藤巧(2年/195cm)、#91田口岬(1年/193cm)と起動力ある190cm台に対し、「このサイズで3番ポジション(スモールフォワード)ができなければ、プロとして通用しないことは分かっています。彼らにはいつでも、プロになるために必要なプレーを教えながら、より厳しく求めています」と刺激を与えていた。
レフティーの本多はこの試合で3本の3ポイントシュートを決めるだけではなく、ドライブしてゴールに向かいながらコーナーで待つ#92大滝唯人らにキックアウトパスを出してチャンスを作る。「国士舘はシューターが多いので、そこを生かすことで点数を引き離すことができます。自分が攻めるだけではなく、まわりを生かすことでオフェンスのリズムを生み出すことを意識しています」という本多は、オフェンスでもディフェンスでも高い意識を持ってプレーの幅を広げている。