Bリーグ誕生によって変化を見せる大学バスケ環境(前編)より続く
プロを育てる育成の場
将来はBリーグ選手になることを目標に掲げ、意識高く大学にやってくる学生が増えている。先日終わったウインターカップを見れば、そのままプロに行った方が成長できるのではないかと思う節もある。だが、安定した職業ではないからこそ、学歴や資格を取る4年間は必要と考えるのも無理はない。
プロを育てる育成の場として、「練習の質は変わってきています」と白鷗大学の網野友雄監督も感じている。大学生だけではなく、「卒業後の進路は気になるところですし、高校生たちが大学を選ぶ材料にもなっています」とBリーグにつながる育成の場としての役割を担う。
大東文化大学の西尾吉弘監督は「プロを口に出して選手たちが来る以上、そのレベルを目指してこちらも指導しています。技術的な部分もそうですが、それ以前に気持ちの持って行き方やバスケットに対する考え方など、プロ志望の学生には口うるさく言うようになりました」。同じく専修大学の佐々木優一監督も「我々コーチとしても、プロを目指すのであれば、学生のうちからそのマインドを植え付けるようにしています」とバスケに対する意識から変化させている。
増える留学生たちの出口問題
今回お話を伺った3人の監督に共通するのは、4年生の留学生がいることだ。Bリーグは2020-21シーズンより「アジア特別枠」(※対象国:中国、チャイニーズ・タイペイ、インドネシア、フィリピン、韓国)を新設する。アジア特別枠または帰化選手のいずれかを、オン・ザ・コート2の外国籍選手以外に起用が可能となる。ならば、帰化選手、アジア特別枠とともに日本で長くプレーしている留学生を受け入れられる制度があっても良いのではないかと感じた。現状はB3にのみ留学実績選手として、外国籍選手とは別に登録が可能である。しかしB1やB2では外国籍選手となり、現状はその後に帰化した選手しか活躍できていない。
「高校から日本にやって来る留学生の数は増えています。また、大学でもほとんどのチームにいるような状態です。しかし、ルールの部分に対して僕らの思いで変えられるものでもありません。今あるルールの中で本人たちと話をして、進路を一緒に探しています。彼らも、最終的にはプロを目指しています。どうやって進めば良いかを一緒に模索しながら考えてはいますが、今は苦しい状況にあります」(西尾監督)