浸水した体育館が多くの方の尽力によって復旧し、今週末のホームゲームは予定通り開催
春のトーナメント(関東大学バスケットボール選手権大会)を制した白鷗大学だが、本格的なバスケシーズンを迎えた秋のリーグ戦では苦戦している。ディオップ マムシェッハイブラヒマと荒谷裕秀のインサイド陣がケガで間に合わず。さらに、星野曹樹も途中で戦線離脱する試合もあり、浮き沈みが激しい戦いが続く。台風の影響で延期となった代替試合を含め、10月19日〜22日までの4日間で3試合が行われた。3連勝を飾った白鷗大学は、浮上するきっかけをつかみかけている。
台風被害は日程変更だけではなく、白鷗大学自体が浸水する実害を受けた。10月13日に台風19号が上陸する前後の状況を網野友雄ヘッドコーチに伺った。
「4年前にも水害がありました。しかし、僕もまだ白鷗にはいなかったですし、学生たちも入学する前であり、誰も実際に経験はしていませんが、それに対する対策は共有されていました。雨が降る前から寮の1階に住む学生には、大事なものを持って2階に移動するように話をしました。実際に台風が来たときも、学生たちとずっと連絡を取り合いながら安全確認をあの日はしていました。対策はしていましたが、それでも寮の1階と体育館は浸水し、部屋に被害が及んだ学生は自分のことを最優先に片付けをし、それ以外の学生は体育館の復旧作業にあたりました。練習が再開できたのは水曜日(10月16日)からです」
2015年、関東・東北豪雨でも災害に見舞われた。その4年前と比較し、1/3ほどの被害で済んだのは当時の教訓を生かしたおかげである。バスケ部だけではなく、多くの方々が尽力してくれた体育館の復旧作業の様子を前田怜緒が振り返る。
「水は1日で引きましたが、当初はヒザ下あたりまで浸水していました。スタンド席を収納する奥に水が溜まり、そこからの匂いがすごかったです。全てを雑巾などで吸い取ってからアルコール消毒をして、体育館をみんなで拭きながらやっとのことで使えるようになったのが先週の水曜日です。学校側も一番に体育館の復旧に対応してくれました」
厳しい状況を乗り越えて3連勝したことに、前田は安堵とともに喜びもひとしおであった。
「僕たちだけではなく、試合に出られなかったベンチメンバーやBチームも応援に来てくれる中で勝てたことがなによりもうれしかったです。この3連戦は、みんなの思いを強く持って戦っていました」
迅速な復旧により、今週末は予定通りに白鷗大学でのホームゲームが開催される。10月26日に日本大学、翌27日は1敗を喫している日本体育大学とそれぞれ対戦する。災害に見舞われた街に力を与え、復旧に尽力してくれた方々に恩返しをするためにも負けられない。