会場が笑いに包まれたのは、卒業する4年生がそれぞれの恩師とともに登壇したとき。東海大附属札幌(内田旦人の母校)の佐々木睦己監督、東海大付属諏訪(鶴田美勇士の母校)の入野貴幸監督、福岡第一(秋山皓太の母校)の井手口孝監督はいずれもユーモアたっぷりに高校時代のエピソードを披露した。卒業より一足早く特別指定選手(内田はレバンガ北海道、鶴田は京都ハンナリーズ、秋山は金沢武士団)としてプロの道を歩むことになった3人にとって、笑いの中に温かさがにじむ恩師の言葉は何よりのエールになったに違いない。
教え子へエールを贈ったのは陸川章監督も同じだ。ただし、その教え子たちは目の前にはいなかった。折しもこの祝賀会が開催されたのは男子日本代表がワールドカップ最終予選で強豪イランと対戦する日。スピーチでまず優勝に至るまでの道のりと参列者への感謝を述べた後、陸川章監督はこう続けた。「今日は日本がワールドカップ出場を賭けてイランと戦う日です。これは日本にとって非常に大事な一戦。その戦いの地に東海大の卒業生が4人(竹内譲次、古川孝敏、田中大貴、ベンドラメ礼生)行っております。日本を代表して戦う彼らをどうか応援してください。そして私もまた、この東海大からバスケット界の未来を担う選手が生まれるよう選手たちとともに頑張っていきます」
大学の新しいシーズンは春の声とともにスタートする。『大学は次代の選手が育つ場所』――連覇を目指す東海大を中心に今年はどんな戦いが繰り広げられるのか。競い合い、切磋琢磨しながら伸びていく若い力に期待したい。
文 松原貴実
写真 松原貴実・東海スポーツ編集部
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