最高のお寿司のために揃えた最強メンバー
「最初、バトルはトーナメントの予定だったから、両親と弟と妹と、5人で出ようかなと思ってたんです」
当初は純然たる「佐藤家」での出場を目指していたが、イベントが「クレイジーモンスター」への挑戦方式に変更となると「さすがに厳しいんじゃないか」と方針を改め、自身のコネクションから最強メンバーを編成していく。それが新潟工業高校時代に3×3の大会で全国3位になったこともある同級生の加藤登気哉さんと中村恵斗さん、そして中学校と高校の後輩であり、このイベントでMVPに輝いた棚橋恒介(コースケ)さんであった。
「コースケはプロを目指してやっていて、東京八王子ビートレインズで特別指定選手としてプレーしていたほどの選手なんです。普段はこういうストリートの大会には一切出てくれなかったんですけど、頼み込んで出てもらいました。すべてはみんなで最高のお寿司を食べるため!」
家族5人での出場は叶わなかったが、それは仲間たちとの再会の契機にもつながった。「一緒にバスケしたのが高校3年生のウインターカップ予選以来くらい。これをきっかけに集まることができたので、そういうのもおもしろいですよね。家族ができたやつもいるし、子どもができたやつもいると飲み会もなかなか開けないし、ましてやこのコロナ禍でなおさら難しくなっているので、またこうやって会って盛り上がったりできる場を作ってもらって本当によかったです。」
そうやって家族と仲間たちとで勝ち取った「鮨 登喜和」の味はやはり最高であった。「(イベント参加をためらっていた)コースケが『本当に出場してよかった。人生で食べた食べ物の中で一番美味しかった』って言ってたくらい衝撃の旨さ。あれはちょっと本当にすごかったですね。こんな豪華な賞品だと次回は参加者が集まりすぎるんじゃないですか? もちろん全部美味しかったんですが、一番美味しかったのは鰆だったと思います。ワラで炙ったお寿司ですね。本当に美味しかったです。」
寿司ディナーを優勝賞品として提供した「鮨 登喜和」の三代目、小林宏輔さんは「CrazyHoopのみなさんの『チャレンジしたいんだ』という熱量にとても共感しまして、協賛のお願いをいただいたときは即OKでした。コロナ禍で開催も厳しかったでしょうし、苦労もたくさんあったと思いますが、優勝した佐藤家のみなさんがお寿司を食べている笑顔を見て、イベントが成功だったんだなとも思いましたし、こちらも幸せをいただきました!会場には行けませんでしたがバトルはオンラインで視聴していましたよ。携わらせてもらって感謝しています!」と感慨深げに話してくれた。実はコロナ禍という状況もあり、優勝食事会は4度のスケジュール延期を経たあと、実施のタイミングを慎重に見極めた上でセッティングされている。小林さんも「佐藤家のみなさんに早く会いたい」とこぼしていたほどで、それだけにお寿司の味も格別だったに違いない。
バスケ一家に生まれ、バスケを通して、ついに実現した親孝行。華織さんは「感激です。夢のようです」とその味を噛みしめていたという。