昨年末(2020年12月13日)、新発田市役所ヨリネスしばた「札の辻広場」で開催された「SHIBATAストリートバスケバトル」で優勝を飾り、ミシュランガイド新潟で『一つ星』を獲得した「鮨 登喜和」でのフルコースディナーを手にしたのはチーム「佐藤家」。英字で表記された参加チームが並ぶ中、異彩を放ったそのチームは、その名の通り「佐藤さん」親子を中心に結成された家族型のチーム。「長男」の佐藤優太さんはイベントが開催された新発田市役所の職員でもあり、「普段はここ(ヨリネスしばた)から歩いてすぐの庁舎で建築確認に関する仕事などをやってます。最初は驚きました。まさか市役所で3on3なんて。ましてやあんなにガンガンHIPHOPの音を出して、結構ヤンチャなイベントだったのは衝撃でしたし、素直にすごいな!って思いました。」と振り返る。
「両親がバスケットを今でもやっていて、50歳を迎えてそろそろ現役も終わりかなっていう頃だったので、小学校の頃からずっとミニバスのコーチとか監督とかもやってくれて、最後の思い出…じゃないですけど、家族3人でこの3on3に出られたらおもしろいんじゃないかなって」
秘密兵器は2メートルの50歳
小学校からバスケを続け、新潟工業高校では県で3位、現在も市民戦でプレーする優太さんだが、佐藤家は「両親は2人とも国体の選手だったんです。小学校の頃は両親がコーチをやってまして、母親は今でもスクールのコーチをやっています」というバスケ一家。お父さんの佐藤均さんは「新潟工業高校から中央大学に進んで大学ではキャプテンをやってたらしいです。佐古賢一さん(日本代表AC)も在籍していた頃の中央大学ですね」。お母さんの佐藤華織さんは「新潟中央高校から日本体育大学に進んで、学生時代はかなりのスター選手だったと聞いてます。」というほどのキャリア。「私がフォワード、父親がセンターで、母親がポイントガード。ここまでポジションバランスのいい家族はなかなかいないんじゃないですかね」
ここに優太さんの友人を加えた6人で主催のCrazyHoopが用意した実力者チーム「クレイジーモンスター」に挑んでいった。試合では前半までに4ゴール差をつけられていた「佐藤家」だが、ここから身長198cmの「父」均さんの出場をきっかけに巻き返していく。
「チーム名からして油断させられてたと思います。3on3に家族で出るって(笑)。勝てるわけないし、50歳のお父さんお母さんが動けるはずない(笑)。そうなんだけどウチの父親は2メートルだし、動けるんだぞって。うちの両親はスーパーだぞ!って。それを知ってほしかったというのもあります。こんな親の子に産まれた感謝っていうか、産んでくれてありがとうって。」
結局、華織さんの試合出場はなかったのだが、併せて開催された各チーム代表者による3ポイントバトルでは6本を決めて2位になっている。 ※優勝は10本のクレイジーモンスター藤井優輝さん
「言い訳ですけど、母親はもっといけたんですよ。6本は調子悪かったと思います。めちゃくちゃシュート入るんですよ“俺の母ちゃん”。学生時代に活躍しても結婚するから実業団には行かなかったんです。『そっちのほうが幸せ〜』って。」