越谷を中心に活動しているチームでプレーできていることは、当然ながら保岡にとっても大きな意味のあることだ。3×3のチームが誕生した昨年から、東京近郊での試合に限らず、遠方での試合にもバーガンディーカラーのＴシャツなどを身に着けたブースターが駆けつけ、越谷から比較的近い千葉県柏市で開催されたROUND.5も熱心に声援を送る姿が見受けられた。保岡は過去に、秋田の一員としてプレシーズンゲームで越谷市立総合体育館に凱旋したこともあるが、自身の地元がバスケットで盛り上がっているという状況は、やはり励みになっているようだ。

「自分が生まれた越谷でこうして優勝して、越谷市民の皆さんの笑顔が見られるのは幸せなことなので、これからも勝ち続けて3×3の面白さを伝えていきたいですし、皆さんにもっと笑顔を届けられるように頑張っていきたいですね。もともと自分がプロになるとは思ってませんでしたし、自分がよく使ってた越谷の総合体育館でプロとして試合ができたのは本当に嬉しかったです。早くＢ1に上がってもらって、一番上のリーグで越谷が戦ってるのを見たいです。」

越谷でそれだけバスケットの熱が高まっているという点に関しても、落合の存在を抜きに語ることはできない。5人制のチームでＢ3時代から献身的にプレーし続け、Ｂ1昇格を狙えるレベルに達してきている中でも、体を張ったプレーでチームに必要とされた。その落合が中心となって作られたのだから、ALPHAS.EXEの応援に駆けつけるブースターは落合が連れてきたようなものだ。今年からは運営面も全面的に落合が引っ張ることとなり、保岡は最大限の敬意を表す。

「『オフに何をしたの？』っていう話をすると、やっぱり営業、社長業をやってるというのは聞きました。落合さんのそういうコート外での貢献がないと、自分たちも今ここでプレーできてませんし、落合さんのユーモアのあるところがアルファーズブースターさんの明るさにも出てると思います。本当に落合さんには感謝してますし、自分もついていこうと思ってます」

3×3.EXE PREMIERのシーズンはまだ折り返し地点。破竹の勢いでラウンド制覇を重ねた昨年は、優勝候補と目されながらプレーオフ準決勝で涙を飲んでいる。昨年と同様、今年もおそらくプレーオフの頃には秋田に戻っていなければならないが、保岡はチームが頂点に立つためにひたすら積み重ねていく決意だ。

「まだまだチームとしては未熟だと思ってます。これからも試合や練習を重ねて成熟度を上げていかないといけない。岡山（ROUND.6）の後にはオールカンファレンスもありますが、そこで勝つのではなく、最後のプレーオフに向けて、日本一になれるチームを目指して日々の練習から頑張っていきたいと思います」

文・写真　吉川哲彦