プレーオフではSWU.EXE(21-8)、SNIPER X.EX(21-10)とタイの強豪を相手にノックアウト勝利で勝ち上がる。準々決勝はUTSUNOMIYA BREX.EXEと対戦。序盤はLEO BLACKS SAGA.EXEが優勢に立ち、藤根の2ポイントシュートで9-4とリードを奪った。その光景に目を覆う者がいれば、逆に目を見開いて驚かされる者もいたことだろう。
「BREXとの組み合わせが決まったときに、LEO BLACKSが勝つと予想している人はほとんどいなかったはずです。その中で、あの良い入りができたことは、本当に見ている人たちにインパクトを与えられたと思います」
しかし、4連覇を飾ったチャンピオンは試合巧者でもある。しっかりと対応してきた後半は、「確実に2ポイントシュートを決められ、どんどん点差を詰められてしまいました。それに対してこちらは焦ってしまい、最終的にファウルが多くなってフリースローを与え、最後の最後は相手にタフショットも決められました。経験の差が出たのかなと思います」と悔やむ23歳。だが、まだ23歳であり、まだ3×3もはじめたばかりだ。
「今シーズンは新生LEO BLACKSとして、3×3経験者もチームの中に一人しかいませんでした。その中で、もっと突き詰めていかなければいけない部分があったと思います。でも、1年目にしては本当に良い結果で終われたと思いますし、この舞台に立てたことが本当に良い経験になりました。今後にしっかり活かしていきたいです」
今シーズン、LEO BLACKS SAGA.EXEの最終結果は5位。チャンピオンを相手に怯むことなく向かって行った藤根は、「ディフェンスでプレッシャーがかかる中でもボールを受けてから、逃げずにアタックすることができました。ディフェンスに関しても、洋介さんとマッチアップする機会が多かったですが、ピックの使い方が上手いです。それに対して準備してきたことがうまく効いて、洋介さんのところを抑え、通用するところもあったのではないかなと思います」と自らの力を証明できた。
今後について、「まだ言えないこともありますが、海外挑戦を目指しています」と藤根は言い、3×3選手として新たな道へ進みはじめる。アメリカに精通する仲西ディレクターの存在がここでも大きな支えとなり、「自分の武器が世界を相手にどこまで通用するのかを確かめてみたいです」という今後が楽しみだ。
なかなかトップの座を明け渡さないベテラン陣に対し、「もっと喰っていきたい気持ちはあります。世代交代ではないですが、認めて欲しい気持ちもありますね」という藤根の言葉どおり、ギラギラした若手が増えることが望ましい。今いるベテランたちはプレーだけではなく、発展途上だったシーンを開拓し、自らをアピールしてきたことでキャラクターが確立されていった。日本だけでも48チームある3×3.EXE PREMIERで存在感を発揮するためにも、多岐にわたる活躍が必要となる。YouTuberの藤根には、その素質が備わっているはずだ。
文・写真 泉誠一