「子どもたちに見てもらって、3×3の楽しさを伝えていきたい」牧野湧
今シーズンの3×3.EXE PREMIRE JAPAN 2022では、チーム活動の促進や次世代選手の発掘・育成などを目的として「U-23特別選手枠」を新たに導入した。基本となるロスター6人に加え、最大4人まで(※女子チームは2人まで)23歳以下の選手を登録できる。4カンファレンス=24チームが出場した開幕戦の中で、U-23特別選手枠でロスター入りした選手は29名を数える。しかし、実際にコートに立ったのは9人だけだった。
FIBA(国際バスケットボール連盟)が、国際競技としてのルールなどを整備して誕生させたのが3×3である。2012年から世界ツアーをスタートさせたが、日本ではそれ以前からストリートボールとして隆盛してきた歴史が長い。また、Bリーグで活躍する選手はもちろんだが、引退した選手たちもバスケを続ける場として3×3を選択するケースも増えており、開幕戦に出場した選手の平均年齢は29歳だった。3×3.EXE PREMIREでは次世代選手の台頭を促し、その芽が早くも出はじめている。
バスケ王国秋田の3×3チームであるAKITA STEELERS.EXE。しかし、開幕戦は2連敗に終わり、予選敗退の悔しい結果となった。能代工高出身、現在22歳の牧野湧はU-23特別選手枠であり、今年2月に行われたトライアウト「3×3.EXE PREMIER JAPAN COMBINE」に参加した一人である。
「もともと地元で3×3をプレーしており、その楽しさは分かっていました。そこからCOMBINEに参加し、その中でAKITA STEELERS.EXEに声をかけていただいたのがきっかけです」
デビュー戦となった5月30日の開幕戦を終え、「はじめての試合でちょっと緊張しました。屋外コートという環境の違いや風の影響などに対し、試合の中で対応していかなければならないことが分かりました。また、当たりも強かったので、体を鍛えていかなければいけないこともあらためて感じました」とトップレベルを目の当たりにする機会となった。
AKITA STEELERS.EXEの中で、秋田在住は牧野と#3 佐々木学の2人だけ。「個々の練習が主となり、試合前に集まって、そこで確認した程度」であり、チーム練習はできない。同様のチームも少なくなく、試合を重ねながらチーム力を高めて行くことが求められる。揃って練習ができるチームと比較すれば時間を要し、そのビハインドは否めない。だが、牧野は「まずは目の前の試合に集中して、勝利をつかむことが今の目標です。自分の役割を徹底し、点数を重ねていけるようにして、みんなで勝ちに向かっていきたいです」と前を向いた。
AKITA STEELERS.EXEのモットーは、「県内外多くの方に関わっていただくことで、より大きな輪を作って秋田の魅力発信や秋田を盛り上げていくこと」を目指す。牧野もその使命を牧野も感じながらコートに立っている。
「若い選手たちの活躍によって、さらに下の世代も3×3をやりたいと思ってもらえるようにしたいです。小さい子どもたちに見てもらって、3×3の楽しさを伝えていきたいです」