公園にある屋外バスケコートをリノベーションするとともに、アーティストがデザインし、地元の人々とともに「アートコート」を創り上げる活動を行っているのが、go parkey(ゴー・パーキー)だ。代表は、3×3.EXE PREMIERのディレクターでもある海老原奨氏。リノベーション・アートコートプロジェクトの第1弾が、東京都中央区にある隅田川に面した浜町公園内の屋外バスケコートに誕生した。公園内にある中央区総合スポーツセンターは、東京2020オリンピック時の公式練習会場として使用され、3×3にもゆかりがある。
野球場の横にある小さな屋外バスケコートは長い年月を経て、ドリブルを突けば思うように弾まない場所があるほど劣化していた。中央区の協力の下、リノベーションを開始。施工に携わった株式会社グランドプロ代表取締役の掛端太郎氏は、「クラック(ひび割れ)やたわみがあったアスファルトを研磨し、フラットに整備します。そこに特殊な滑りにくい塗料を使っています」と話し、適切なコンディションに再生する。アートコートの名のとおり、アーティストと一緒に仕上げるのがこのプロジェクトの大きな特徴だ。
第1号アーティストは、鮮やかな色彩のストライプやドットの模様で構成された立体的な絵画作品を制作する今井俊介氏。「普段から絵を描いていますが、なかなか地面に描くようなことがなく、まさかバスケコートだったことがすごくおもしろいなと思いました。みんなと一緒に、天気に悩まされながらも無事に塗り終えることができ、完成できて良かったです」という鮮やかなコートが、4月29日にお披露目となった。アートコート制作に欠かせないのが地元の協力であり、子どもたちと一緒に塗装作業を行い、そのときのままTシャツに塗料がついた子どもたちも元気に式典に参加していた。
完成したコートに立った海老原氏は、「みんなと一緒に作ったこのコートで、いろんなストーリーが生まれることを願っています。アートとバスケを楽しんでもらって、ここに集まった友だちと仲良くなって、ハッピーな時間を過ごしてください」と挨拶し、新たな街の象徴が誕生した。
踏んだり、ドリブルすることも躊躇してしまうほど鮮やかなアートコート。しかし、今井氏は「僕らはちょっとキレイにし、普段とちょっと違うコートを作ってみた、それだけです。主役はここでバスケをする人たち。これから先はみんなで楽しみ、このコートを守り、自分が塗ったことを思い出しながら、バスケをしてくれたらうれしいです」と多くの人が集まることを願い、それがまたアートとなる。
このリノベーションにより、改装されたコートで安全にバスケを楽しむことができ、アートコートとして生まれ変わることで景色も心も明るくなる。まだはじまったばかりのこのリノベーション・アートコートプロジェクトは、今後もバスケとアートで街を幸せにしていく。
go parkey(https://www.goparkey.com/)
文・写真 泉誠一