世界に先駆け、2014年に3×3プロリーグとして日本で創設された3×3.EXE PREMIER。9年目を迎える2022シーズンは男子42チーム、女子6チームが参戦し、5月28日(土)よりワテラス(東京都千代田区)にて開幕する。日本だけに留まらず、ニュージーランド、タイ、チャイニーズ・タイペイと世界に広がり、全て合わせれば100チームを超えるマンモスリーグへと成長を遂げた。
今シーズンに先駆け、新たにディレクターとして就任したのが海老原奨氏だ。ストリートボールリーグの生え抜きであるSOMECITYに参戦するF’SQUADで活躍し、2014年の3×3.EXE PREMIER開幕シーズンに参戦。3×3日本代表候補にも選ばれた経歴の持ち主である。
バスケを始めたのは体育館ではなく公園だった海老原氏は、どのカテゴリーにおいてもいわゆるエリートということはなく、高校卒業後にアメリカ留学を決めたのも「バスケが好きで、楽しいから」。日本でもアメリカでも公園でプレーし続け、世代も国籍も超えた仲間たちとのプレーを経て、日本を代表するプレーヤーになった人間だ。
プレーヤーとして創設期に関わってきた海老原氏が、東京オリンピックで新種目に採用された3×3へ向けて、今度は裏方に回る。東京2020組織委員会にて競技運営統括を担当し、その価値を高める舞台を作り上げた。日本代表は男女とも決勝トーナメントへ進出し、男子は6位、女子は5位と健闘する。その火種を絶やすことなく引き継ぐ海老原氏が、3×3.EXE PREMIERと3×3に懸ける熱き思いを語ってくれた。
3×3発展のためにも「3×3.EXE PREMIERだからこそできることがいっぱいある」
オリンピックは大会期間中にも熱中症で倒れて点滴をしながら現場に立つなど大変なプロジェクトでしたが、なんとかやり切ることができ、終わってみれば本当に良かったとしみじみ感じています。開催に否定的な意見がある中だったからこそ、コロナ禍でも安全に成功させることが、この競技に携わる者としての使命だと思って成し遂げました。だからこそ、「盛り上がった3×3の火を消したくない」「このような素晴らしい競技をもっと知ってほしい」という思いが日増しに強くなっていきました。
FIBA(国際バスケットボール連盟)が3×3のテンプレートを用意し、IOC(国際オリンピック委員会)のルールに沿った形で、我々が融合させながら作り上げて行ったのがオリンピックです。FIBAと膝を突き合わせて仕事をしてきた3年間であり、多くのヒントと可能性を実感しました。今後も3×3プロジェクトをさらに前に進める担当として、クロススポーツマーケティングにお声がけいただき、3×3.EXE PREMIERに携わることになりました。
オリンピック効果は絶大で、反響の声は実際に僕のところにも多く寄せられました。しかし、まだまだバスケコミュニティーの中でしか知られていないのが現状だと感じています。3×3をいろんな意味で広げていかなければいけない使命感に燃えているとともに、「3×3.EXE PREMIERだからこそできることがいっぱいある」ことを今は実感しています。例えば、多くの協賛企業や自治体が関わるプロリーグであることに価値があり、スポーツビジネスとしてもプロフェッショナルに確立されていることが大きなメリットです。多くの方々が関わってくださっていることの強みを活かすことができます。