結果は残念なものだったが、次はある。
東京オリンピック2020の出場権もすでに得ている。
それに向けて気持ちを切り替えるしかない。
そう思う一方で、やはりここで変わらなければ次はないとも思う。
これまでも幾度となく繰り返してきた言葉だが、世界に出た今だからこそ、より強くそれを思う。
モンテネグロ戦後、馬場雄大は「(オリンピックまでの)この1年、死に物狂いでやらなければいけないと思いました」と語った。
選手個々がそれを体現しようとしなければ、来年も同じ轍を踏むことになる。
それは今大会を経験した12人だけでなく、Bリーグで戦う全選手と、その先の日本を担う学生たちにも言えることだ。
日本一丸で世界に臨もうとするのであれば、危機感もまた日本一丸となって感じなければならない。
今大会、篠山と一緒にキャプテンを務めた渡邊の負担は何よりも大きかった。
真面目な彼はすべてを背負おうとして、逆に自分を苦しめていた。
「予選ラウンドは絶対に突破しなければいけない」
自らにそうプレッシャーをかけていたことも明らかにしている。
それが叶わなくなったとき、さらに追い打ちをかけるように不測の事態が起こった。
彼のメンタルが削られたことは想像に難くない。
「塁と竜青さんが抜けたことは精神的にかなり厳しく、年齢でいうと自分もまだ若いほうですし、自分も竜青さんみたいに声を張り上げて引っ張るタイプでもないので、だから自分なりにプレーで示そうと思ってニュージーランド戦に入ったんです。でも本当に何もできずに終わってしまったので、このままだと後悔だけが残ると思ったので、今日は自分の持てるものをすべて出し切ろうと思って、とにかく背中で日本代表を引っ張っていこうと心に思いながらプレーしました」
モンテネグロ戦では呪縛を解き放つかのように34得点をあげたが、チームを勝利には導けなかった。
それでも公式記者会見とは別に、記者の求めに応じて、取材エリアに引き返してきた。
これもまた彼の、日本を背負う責任感である。
「今後も当然背中で引っ張っていくこともやっていくなかで、もっと声を出して引っ張っていかなければいけないなとも感じました。そうした部分はいつも竜青さんがやってくれているんですけど、(誰もが)ケガでいなくなる可能性もありますし、自分ももっと声を出して引っ張っていかなければいけないなと思っています」
NBA選手であっても敗北から学び、変わらなければ、世界のなかで置いてきぼりにされてしまう。
世界とはそういう舞台でもあるのだと、改めて痛感させられた。
結果は想像したものではなかったかもしれない。
しかしここで立ち止まるわけにはいかない。
何度倒されても、そのたびに立ち上がって、前を向き、戦い続ける。
そこに選手としての、またはチームとしての成長はある。
大いに反省してほしい。
大いに苦悩してほしい。
深く落ち込んでもいい。
でも立ち上がろう。
そして、今度は必ず。
今度こそ必ず──。
文 三上太
写真 FIBA.com