6月30日に行われた日本代表チームの公開練習で、記者団に囲まれた長谷川健志ヘッドコーチの顔がパッと明るくなった。この2次合宿から参加した八村塁(明成高校3年)について質問が飛んだときだ。
「いやぁ、すごい!いやいやすごいポテンシャル。特に柔らかさですね。シュートもそうだし、プレイの身のこなし方もそう。ブロックショットがあるし、リバウンドがあるし、シュートも高校生離れしているし…。今回はチームのテーマとして”競争”というのを挙げているんですが、チームに大きい選手が少なかった分、これまでは競争が足りなかった面もありましたから、塁や雄太(渡邊)が入ってきたことは太田(敦也)や(竹内)譲次にとってもいい刺激になっていると思いますよ」
さらに、練習をともにした田臥勇太に話を聞くと…。
「まずはあんなに能力があるのがうらやましい。あのサイズであれだけの能力を持った選手は日本ではなかなかいないでしょう。で、あの歳(17歳)でこうやってA代表でね、普通に練習できてることがすごいですよ。僕が高校で入ったときは緊張しちゃってどうしようもなかったのに、彼は動じないというか、それだけでも全然違います」
練習中にも驚かされること少なくないという。
「同じガードとして今日の練習もそうですけど、ドライブしたらしぜんに合わせてくれるというのはすごいこと。高校生なのに本当によくできているなという感じです。(自分が)いてほしいところにちゃんといてくれたし、ボールもちゃんと通るし、一緒にやっていて”生かし甲斐”がありますね。もっと長い時間一緒にやりたいと思わせてくれる選手です。聞いたら、まだ身長も伸びているっていうし、(コートの外では)可愛いなという感覚になるぐらい歳は離れていますけど(笑)同じプレイヤーとしては期待していますね。期待を持たせてくれる選手です」
日本を代表するベテラン先輩ガードにここまで言わせてしまうあたり、畏るべし17歳。だが、コートを離れたとき「可愛いなと言う感覚」になるのは田臥だけではなく、八村の素顔について尋ねた選手たちからは異口同音に「可愛いやつです」のことばが返ってきた。