皆さんこんにちは。フォトグラファーの安井麻実です。
2019-19シーズンが終わり、続々とBasketball Spirits AWARDを受賞された選手が登場しています。皆さん、チェックしていただいていますか?
今回、フォトグラファーが選ぶシーズンベスト、ということで、私が昨シーズン取材させていただいた選手たちの写真を見ていました。そんな時、「日本代表を取材した写真も選考に入れてください」とのお言葉を編集部から頂きました。
その瞬間、すぐに頭に浮かんだのがこの八村塁選手と比江島選手の2カットでした。
試合写真を撮る際は特に、“瞬発力”が問われると思っています。この写真は八村選手の気持ちが溢れ出てきて、見ているこちらの胸に突き刺さる熱い想いが感じられます。
この試合を撮っていたとき、私はオーストラリア側ベンチのフォトエリアに座っていました。多くのフォトグラファーが日本ベンチ側に座る中、私もいつもならそうしていたのですが、この日だけはオーストラリア側に座っていました。八村選手がこちら側へ走ってきて想いを爆発させてくれたこの瞬間は、ずっと脳裏に焼き付いていて、あの日、あの瞬間の感動をリアルに思い出させてくれます。
日本のリードを示す得点表示とわずかな残り試合時間、両手を大きく広げて喜びを表現するニック・ファジーカス選手が同じ画面に写っていることも、1枚の力をぐっと引き上げてくれている要因です。
八村塁選手は日本時間の21日午前8時から(ニューヨーク州/バークレイズ・センターで現地20日に開催)NBAドラフトを控えています!どのチームに指名されるのか、とても楽しみですね!
こちらのカットは、八村選手の最初のカットと並んで、印象が強烈だった1枚。この日の試合を忘れられないファンの方は多いのではと思いますが、写真も、想いが深いものが多く撮れた日でした。
試合中はもちろんのこと、試合後の歓喜の表情もどれも甲乙付け難く、お見せできるなら全部お見せしたい…
ですが、そんな写真たちの中でも1番に思い浮かんだのがこちらの、「ひエアープレイン」(笑)。
この写真をフォトリポートに載せた際に、数名の私のSNSフォロワーさんが「ひエアープレイン」という言葉を教えてくれました。
歓喜し、チームベンチに走っていこうとした比江島選手でしたが、勢い余って転んでしまい、このように床に突っ伏した状態に。まるで飛行機のように大きく手を広げ、転んでもなお喜びを全身で表現していた、その瞬間です。
この写真に関しても、オーストラリア側で撮影していたから撮れた瞬間の一つだったと思います。
毎試合毎時間、毎秒、同じ瞬間は二度と起こりません。
「今このシャッターを切った瞬間が最初で最期」という想いで撮影に臨んでいますが、この2枚は写真として好きだというだけではなく、「1枚の写真の尊さ」を、改めて教えてくれた2枚でもあります。
0.1ミリの迷いなく、この2枚が私のシーズンベスト!いかがでしたか?
2019-20シーズンも、こんな写真が撮れるよう想いを込めてシャッターを切りたいです。
文・写真 安井麻実