何が言いたかったというと、つまるところ、僕がコラムだと思ったもの、それがコラムなのだ。
なのでこの書き物はまごうことなき「コラム」なのである。
従って、コラム大賞も実に正当な評価であり、何人たりとも「これってコラムなん?」といった批評をすることまかりならん、なのである。
そもそも僕は褒められて伸びるタイプなので、もっと褒めた方がいい。
「人間ってな、叱られるより褒められる方が伸びるんやで」って、カーネマンのおっちゃんも言っていた。
「あと、失敗したから叱りつけたら成績が良くなった、って言って怒り続けてる人いるけど、あれってたまたまやねん。人間の残す結果は結局、平均に回帰するってだけの話で、平均を下回る成績が出た後にそれよりマシな結果が出るんは普通のことやから、褒めても叱っても結果は変わらへん。」
と、おっちゃんは続ける。
え、そうなん?
「ちなみにやけどな、あんたバスケットやっとるやろ。ワイのツレがNBAとかいう団体使って研究してみたんやけどな、シュートの確率も打てば打つほど平均に近づいていくんやで。実は“ホットハンド”なんちゅう現象は存在せんのよ。」
いやそんな話聞かされちゃうと我々の業界における常識が一気に覆されかねない気がするのだが。
「人間っちゅうんはな、思い込みの激しい生きモンやねん。そのせいで現実を歪んだ形で認知してしまうことがよくあんねん。それは知っといた方がええ。」
そ、それはつまり、あの日に韓国で食べたあの焼肉は…。
「あれはただの冷麺や。」
─ 次回予告 ─
一年間の試練に耐えたこの読み物は、ついにあるべき姿へと生まれ変わった。バスケット情報サイトにふさわしい専門用語が次々と並ぶ、一大バスケット論考。それがこのコラムの新しいあり方であり、編集部が長年追い求めていた形だったのだ。筆者がこれから、どのようなバスケット論を展開していくのか、乞うご期待である。次回、404 Not Found。
この次も、サービスサービスゥ!
今回の引用元:『NEON GENESIS EVANGELION』/GAINAX、庵野秀明/キングレコード 2003
石崎巧
1984年生まれ/北陸高校→東海大学→東芝→島根→BVケムニッツ99(ドイツ2部リーグ)→MHPリーゼンルートヴィヒスブルグ(ドイツ1部リーグ)→名古屋→琉球/188cmのベテランガード。広い視野と冷静なゲームコントロールには定評がある。
著者近影は本人による自画像。