「いつ行くの?」「開幕戦は行くんでしょ?」と国内外の方々に聞かれることが多い。マディソン・スクウェア・ガーデンからは、「空振りだった」と悲報が届いた。ニューヨーク・ニックスとのプレシーズンゲームで八村は休息日のために欠場だった。新加入した若き逸材であるモリッツ・バグナーを試す日だと思い、こちらは楽しくネット中継で観戦していた。
日本のメディアも開幕戦に合わせて渡米を計画している方も多いようだ。残念ながら、筆者は開幕戦に行く予定はない。
今夏、八村が凱旋帰国すると多くのメディアに囲まれる日々が続いていた。そんな八村フィーバーになかなか接近できなかったが、ある日エアポケットのようにほんの少しだけ二人で立ち話をする機会が奇跡的に訪れる。長年ウィザーズを応援しており、ドラフトで指名されたときに驚いた話をすると、笑顔で喜んでくれた。今シーズン、応援に行くならばプレーオフだと告げる。
「え?出なければ見られないじゃないッスか」と目を丸くする八村。強いチームへと変化させるのがキミの役目である。プレーオフに連れて行って欲しいと約束させてもらった。
八村は「チームを助けたい」と誓い、開幕に向けた準備に入った。応援し続ける26年の間に、ホームやアウェーでウィザーズの戦いを観てきたが、不確定要素が多いプレーオフはまだ未体験である。日本人選手が初のNBAプレーオフの舞台に立つ姿を見たい。その時期になれば、ナショナルズの試合も一緒に見られるのも楽しみだ。
しかし裏を返せば、プレーオフに出なければ今シーズンはD.C.に行けないという縛りを自ら作ってしまった。愛用していたウィザーズサンダルが壊れてしまい、それ以外にもグッズを買いたい物欲もあり、是が非でもD.C.に行きたい。頼むぞ、塁っ!
もうひとつ朗報がある!
日本人NBA選手が一気に増えて機運が高まっているにも関わらず、日本で正規にジャージーが売られていないというたわ言を以前書かせてもらった。しかし、開幕に間に合わせるように日本のナイキでも八村ジャージーの販売がはじまった。しかも、税込8,800円という粋な値段設定である。NBAストアより安価であり、ショップで扱われれば試着もできる安心感。
経済的なメリットだけではなく、ショップで扱われることやショーウィンドウに飾ってもらうことで、多くの方にNBAやバスケを知ってもらえることがうれしい。目に触れる機会が増えることに比例し、ウィザーズファンが増えてくれれば最高だ。
文・写真 泉誠一